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耕作放棄地で希少キュウリを守る、若手農家がクラウドファンディングで50万円の資金調達 – ローカルベンチャー特集

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今、全国に流通しているきゅうりは、高い技術で品種改良を重ねた結果、たくさん収穫しやすいもの、見た目が整っているものがほとんどだ。

一方、日本に古来から伝わる在来種や珍しい品種の流通量は減少の一途を辿っている。そんな現状を受けて、宮崎県の中央部に位置する新富町の若手きゅうり農家3人が立ち上がった。その1人が、猪俣太一さんだ。

生産量日本一の宮崎で、全国の希少キュウリを守る

きゅうりの生産量日本一の宮崎できゅうり農家を営む自分たちが、「本当においしい」と言われる希少なきゅうりを受け継ぎ、多くの人に届けたい。そこで2017年9月、耕作放棄地を活用して「きゅうりラボ」を開設。

身の半分が白い「半白きゅうり」や極太で果肉が柔らかい「加賀太きゅうり」など、全国各地から集めた8種類の希少品種の栽培をスタートした。

きゅうり農家なのにきゅうりの原型を知らないし、食べたこともない。そのことに危機感を覚えて、新たなチャレンジとして始めました。

希少品種は、普段つくっている品種改良されたきゅうりの20分の1しか身がとれないと言われるほど栽培が難しい。試行錯誤しながら育てているところです。

起業家育成塾から始まった若手農家の挑戦

撮影:MACHI LOG

動き出すきっかけは、宮崎県新富町が旧観光協会を法人化して設立した地域商社「一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(略称:こゆ財団)」の運営する起業家育成塾「児湯シータートル大学」だった。

猪俣さんは一期生として受講したが、同じ受講生の中に同年代のきゅうり農家が2人いたことから、3人で一緒に何かやってみようと、チャレンジできることを探し始めた。

自分たちの課題は、年間通してきゅうりの単価を少しでも上げること。安定していい価格を維持するためには付加価値を生むことが不可欠です。

とはいえ、今つくっている品種ではつくり方を変えたとしても大きく変わりばえしないので、昔に戻って希少品種を育てるしかないと思い至りました。

クラウドファンディングで資金調達

そこで活動資金を得るために、希少なきゅうりの栽培企画を立ち上げ、クラウドファンディングを実施し、50万円以上の資金調達を達成。希少きゅうりを復活させる活動が実現することになった。

やっぱり「児湯シータートル大学」という場が大きかったですね。

クラウドファンディングをやってみたのも、こゆ財団のみなさんの後押しがあったからこそ。ゴールは設定せず、とにかく3人で勢いだけで始めました。

Uターン、農業で新たなチャレンジ

高校卒業後、教師になろうと山梨大学教育学部に進学。しかし、大学の授業より農業に興味を持つようになり、家業を継ごうと故郷に戻ってきた。

前例を踏襲するのではなく、「新しいことにチャレンジしたい」という思いが人一倍強かった猪俣さん。そんな思いが年々募る中、「児湯シータートル大学」が立ち上がったのは、偶然ではないのかもしれない。

こゆ財団の人たちは、フットワークが軽くて実行力がすごい。挑戦している姿がすごくお手本になるし、刺激にもなっています。見ていて勇気が出ますね。

つながり、経験や技術を共有し始めた農家たち

「児湯シータートル大学」を受講したことをきっかけに、農家同士のつながりが生まれ、首都圏に共同出荷する新たな農家グループをつくろうという動きも出てきている。

同じ作物をつくっている農家同士が、横でつながる機会はこれまでなかったんです。

でも自分たちのチャレンジをきっかけに農家がつながり、共同栽培や勉強会を行うことで経験や技術を共有することができれば、もっとお客様に喜んでもらえるものがつくれるはずです。

地元農家を巻き込み、歩み続ける

さらには、農家同士がもっとお互いに学び合おうと、猪俣さんの呼びかけで地元農家が集まる飲み会を開催。

これまで新富町には、先頭に立って「集まろう」と呼びかけるような若手農家のリーダーはいなかったが、猪俣さんは率先してそのポジションに立とうとしている。

今や「新富町に頑張っている若手きゅうり農家がいる」という噂は宮崎中に広まり、町外のイベントに呼ばれて登壇することも増えてきた。

一歩を踏み出せば、見える世界は大きく広がる。今30才という猪俣さんのポテンシャルは、果てしない。


転載元:こゆ財団 ブランドブック
原文執筆:中里 篤美
写真:Waki Hamatsu
編集:MACHI LOG 編集部

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