デザイン思考を地域づくりに。ーデザイン思考ファシリテーター稲田佑太朗氏
宮崎県新富町の地域商社こゆ財団の主催で、デザイン思考のワークショップが東京SENQ京橋で行われた。こゆ財団と言えば、デザイン思考の手法を活用して1粒1000円ライチの開発を行い、国の優良事例にも選ばれている注目の地域団体だ。
今回は、その財団の思想の根底にあるデザイン思考を実際に体験してもらうワークショップ体験が開催され、仕事終わりの会社員や農家など一般参加者15名が参加した。
こゆ財団が大切にしてる「まずやってみる」
講義をするのは稲田佑太朗さん。宮崎県にUターン後、臨床検査技師として勤務中、多くの人の死を目の当たりにし、「今を生きる人を増やす」ことを使命に、県職員を退職し、こゆ財団で人材育成事業を実施している。
こゆ財団が大切にしていることは、「まずやってみる」精神。これはデザイン思考の根底にある思いと同じで、こゆ財団は、デザイン思考を活用して、1粒1000円ライチと言う市場を作り出した。
ライチのお茶も開発
また生ライチに加えて、ライチの実をむだにしないよう、ライチの皮を活用したライチ茶も開発した。現在は、ライチの種を使ったスパークリングワインや石鹸の開発も行っており、「やってみる」精神で、既成概念にとらわれず商品を生み出しているそうだ
失敗しても良い環境「ナイストライ」と言いあえる環境づくりを
デザイン思考と地域づくりに共通する事はまずやってみる精神。
地域においてイノベーションが起きにくいのは、「やってみる」前に行動を止めてしまい、イノベーションの機会損失が発生していると稲田氏は言う。
そして、「やってみる」精神で大事なのはその環境作り。失敗しても良い環境でナイストライと言うような環境を作ることができれば、チャレンジする人が増えて、地域にイノベーションが起きる可能性が増える。
忘れてしまいがちな行動の源泉「ワクワク」
参加者からは、行動の源泉である、ワクワクすることや自分らしさみたいな事を思い出すことができたという声が聞かれた。
地域を変えていくためには、イノベーションがおきやすい環境作りはすごく大切で、こゆ財団でも徹底的に行なっているという。その上で、行政や企業とも連携し行っていることで、設立わずか 2年で国の優良事例に選ばれるほど地域になったのだろう。
その他地域もデザイン思考の精神を地域づくりに取り入れて、地域がより良くなれば、東京一極集中という、国の課題解決の一助になるかかもしれない。それを感じさせた可能性に満ち溢れたワークショップであった。