長野県塩尻市の職員でありながら、全国各地で塩尻市のプロモーションのために年間100回以上の講演を行なう人物がいます。
「公務員っぽくない公務員」の代表格としても話題の山田崇さんです。
山田さんのことを知る一番手っ取り早い方法は、Google検索で「元ナンパ師」で検索すること。1ページ目が山田さんの情報で埋まります。
塩尻市の山田さんと、全国各地で起業家育成や仕事づくりを行う地域プロデューサーの齋藤潤一さんがコラボレーションし、「地方のリアルぶっちゃけTalk」と題したイベントが開催されました。
たまたまや偶然が生み出すアイデア
「今日のイベントはノーアジェンダなんです。今日ここでイベントするということだけ決めて、集まりました」という言葉からイベントは始まりました。会場に集ったのは、学生からシニア層まで、合計30人。
何を話すか、どんなことをやろうかという内容が、目の前でリアルタイムに組み立てられていきます。
最初こそ、参加者からの質問に答えるという形式だったイベントですが、たまたまの思いつきから、大きくギアチェンジしていきます。

齋藤潤一さんは、宮崎県新富町の事例を紹介
なんだか場がかたいんですよ。アイスブレイクしましょう
という齋藤さんの言葉から始まったのが、ブレインストーミングを活用したアイデア出しのワークショップ。「正しいブレインストーミングのやり方」のレクチャーの後、たまたま隣にいたからという理由で3人組が作られ、ワークが始まります。
すると・・・、イベント開始当初とは打って変わって、会話が止まらない。お題に対してブレストし答えていくという形式で、会場の熱量が高まっていきます。
地方創生にスターはいらない?
止まらないアイデアとディスカッションから見えてくるのは、誰もがアイデアを思いつけるし、熱くなれるという事実でしょう。ゲスト講師も参加者も一緒になり、ブレインストーミングを行い、いつの間にかゲストも参加者も一緒になり、ただ熱狂の場が広がっています。
中でも印象的なのは、山田さんが参加者の話を前のめりに聞いていたこと。こういうイベントであれば、ゲストが語り、参加者が聞くというのがどんな場面でも見られるのですが、このイベント中、主客が入れ替わることがしばしば見られました。
それはお互いがリスペクトを持ち接しているということもあるし、「正解がない」という分野においての正解へのアプローチだと言えるかもしれません。
つまり大事なのは、たったひとつの答ではなく、答をたくさん生み出せる土壌であり、人であり、出会いであるのではないかということです。
いつ、何をするかを決めればコトは動く

懇親会も偶然の出会いの場
複雑性が増す社会の中で、たったひとつの答を見つけようとすることは無駄だし、不毛かもしれません。
それよりも、たくさんの数を出し、試しにやってみることから何かが動き出します。
山田さんは大事にしていることがあるといいます。それは、「次はいつ、何をするのかを決めること」。
偶然の出会いや、あるアイデアを次にどうするのか。しかもそれはいつなのかを明確にすれば、プロジェクトととして動いていくと語ります。
今回のイベントでも、来月移住ツアーに行こうという話や、個展を開催しようなど、様々な話題があがっていました。
こうした偶然から、アイデアが生まれ、それがかたちになったり、進めていく上での試行錯誤もオープンイノベーションのステップなのかもしれません。
そして偶然から行動をおこすためには、「次に何をするのか」を決めると、アイデアがプロジェクトになるわけです。この場からどのようなプロジェクトが生まれたのか、”次回”が楽しみなイベントとなりました。