日本創成会議・人口減少問題検討分科会の推計では、2050年頃に全国の自治体から896の都市に消滅可能性があると推計されている。消滅可能性のある地域では、財政難や少子高齢化など様々な問題が山積している状態だ。
「地方創成」への期待が高まるなか、宮崎県新富町に拠点を構える地域商社「こゆ財団」代表理事の齋藤潤一さんは、地域課題を解決する手段として「高速PDCA」などビジネスの仕組みを取り入れ、持続可能なまちづくりを目指し日本全国で活動をおこなっている。
今回は、先日行なわれた「宮崎ローカルベンチャースクール(以下、宮崎LVS)」の第2回目の様子を紹介する。
フィールドワークで地域課題を見つける
地域課題を解決できる人材育成の一環として、東京で開催されたMBA式ローカルベンチャースクール「宮崎LVS」。2回目となる今回は、新富町でのフィールドワークが中心だ。「自分がワクワクすることで、地域課題を解決したい」と志を持つメンバー約20名が、新富町に訪れた。
県外から訪れたメンバーたちは、地域課題をどう捉えるのか。そして、自身の感じるワクワクとビジネスをどう掛け合わせて、地域課題を解決しようとするのか? フィールドワークは2日間かけて行なわれた。
駅を起点にしたまちづくり-2020年にサッカースタジアムが建設予定
フィールドワークのスタートは、JR日向新富駅の駅舎。日向新富駅は、こゆ財団が設立当初に事務所として使用していた。駅構内に、机・椅子・モニターなどを設置した結果、子供が宿題やゲームをしたり、ビジネスマンが仕事をしたり、自然に人が集まる場所になったと、こゆ財団の高橋邦男さんは話す。
日向新富駅近くには、2020年に完成を目指すサッカースタジアムが建設される。スタジアムは駅から徒歩圏内とアクセスも良好。今後、駅は間違いなく新富町の拠点となる。