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地域商社「こゆ財団」理事の岡本啓二さん
農産物の生産・加工・流通など、様々な分野が含まれる「農業ビジネス」が注目されています。
注目されている理由は、従来の構造が変わるかもしれない期待ではないでしょうか。
国内の農業の状況を見てみると、安心できる状態では全くありません。
野菜や果物、そして畜産なども含めた日本国内全体の農業総産出額の統計によると、1984年の11兆7千億円をピークに、2008年には8兆5千億円に減少しており、農業自体が衰退傾向にあることがわかります。
しかし今、農業を取り巻く環境が変わりつつあります。
リスクが多い農業経営
農業には様々なリスクがあります。
例えば、自然災害にどう対応するのか、農業用機械の購入やメンテナンスの費用はどうするのか、産品が市場価格に左右されるため安定しないなど、様々な面でリスクが目立ちます。
農業を始めるための初期費用がかかる上に、うまくいくことが約束されているわけでもないのが農業経営というわけです。
B級品、C級品を商品に変え、農家の売上構造を変える

イチゴも規格外品が多く発生する
生産物の状況に限ってみると、課題のひとつはB級品やC級品と呼ばれる、正規の規格に沿わない産品が生じてしまうことです。
A級品とは、日本の農産品の多くの流通等を担うJAの規格に沿うもので、それ以外は商品価値がほぼなくなってしまうのが今の農業です。
有機農業など、農法によっては3割以上が規格外品になることもあり、A級品と全く同じ労力とコストをかけたにも関わらず、売上に反映されないという状況が生まれています。
「大変だけど儲からない」という農業に抱かれるイメージの多くは、このような背景にあるといえるでしょう。
農家の売上構造は、単純に流通し販売できるものか、そうでないものに分かれ、販売できないものは当然ながら1円にもならないという状況があります。
この構造そのものを変えない限り、稼ぐ農業ビジネスはうまれ難いといえます。
投資ができる農業へ。挑戦が生む農業イノベーション

挑戦から生まれた国産ライチ
「稼ぐ農業ビジネス」に向けた取り組みとして注目されているのが、地域商社です。
都市部と地域を結び、相互のニーズを繋げるという説明がありますが、注目するべきは生産者と連携し、農業の生産や流通などを含めて、構造を変える存在であるという点です。
国産ライチへの挑戦。売れない産品のゆくへは?

ライチ農家の森さん。リスクをとって挑戦した
ひとつ具体的な事例を上げてみましょう。国内では流通量1%しかない国産のライチです。
国産ライチの約3割は、宮崎県新富町で栽培されていますが、そのライチ栽培を実現したのは、森さんというひとりの農家の方です。
「全く実がつかないかもしれない」という中で、10年間の試行錯誤を行い、やっと安定してライチの収穫ができる状態を実現しました。
つまり森さんはリスクを取り、ライチ栽培に乗り出し、新しい農業分野を切り開いたというわけです。
しかし当然ながら、商品として出荷できないライチも生まれ、それらは廃棄されてしまっています。
地域商社「こゆ財団」による商品開発、ブランディングがスタート

東京でのライチPRイベントも開催した
森さんと連携し、商品として出荷できないライチに活路を見出そうとしているのが、4月に立ち上がった一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(通称:こゆ財団)です。
理事の岡本啓二さんは、次のように語ります。
このままでは農家さんがいなくなるという危機感があります。いま国産ライチは、宮崎県が力を入れようとしているフルーツであり、これからが楽しみな商品です。
しかし、農家さんに売上が上がらなければ、認知される前に担い手がいなくなってしまうでしょう。
このような危機感のもと、B級品、C級品のライチを買い取り、加工品の製造を進めています。
その他にも、販路開拓や商品の価値を高めるブランディングといった部分を担い、農家を支えます。
農家の売上に貢献することがなかった産品に価値をつけることで、農家の収入の向上に役立つ取り組みです。
地域商社と農家の連携が稼ぐ農業ビジネスをつくる
このように地域商社と農家がが連携することで、B級品やC級品に商品としての価値が生まれ、取り引きされるようになることは、農家の収入の向上を意味します。
言い換えれば、農家が自らリスクをとって新しい挑戦をする環境が整っていくといえます。
つまり農業全体としてとらえたときに、「稼ぐ農業ビジネス」につながっていくといえるでしょう。
このような取り組みは、まだまだ始まったばかりです。こゆ財団の活動資金はふるさと納税が使われており、地域に還元されるふるさと納税のあり方として、制度の活用方法も注目されています。