いまや男子中学生が将来なりたい職業の第3位にランクインするほどメジャーになった「YouTuber」。動画配信サイトのYouTube等で、オリジナルの動画を制作・配信し、人気を集めている仕事のひとつです。
小中学生を中心に幅広い年代の支持を集めており、日本トップクラスのYouTuberであるHikakin氏は総再生回数が44億回を超える回数ともなっており、その人気の高さが伺えます。
同一市内最多?宮崎県日向市のYouTuber
YouTuberの知名度と、動画クリエイターが増えている中で、全国的な知名度はまだないものの、地方発のYouTuberも増えてきています。
今回注目したいのは、宮崎県日向市を拠点に活動を行っているYouTuber。宮崎県の北東部に位置し、サーフィンの聖地として世界的に有名な地域でもあります。人口6万人のこの町に、2つのチャンネルが開設されています。
第3の民放を目指すMTV
ひとつが、「MTV」。民放が2局しかないという宮崎県だからこそ、自分たちがPRして盛り上げようと開設されたチャンネルです。
MTVは、「みやざきてれびじょん」の略で、宮崎県で第3の民放になれるようにとの決意が込められているのだそう。
2018年の2月には、宮崎日日新聞の活動が取り上げられるなど、いま注目のYouTubeチャンネルです。
ゆるい空気感がくせになるチャップリンTV
同じく日向市をはじめ、宮崎県で活動するのが20代のコンビで結成された「チャップリンTV」。
「日向市わらしべ長者の旅」や「宮崎県道の駅完全走破の旅」など、体を張った企画が満載です。
以上の2つのチャンネルに刺激を受けたのかは定かではありませんが、日向市の財光寺小学校の6年生も地域をPRする動画をYouTubeに投稿。
MTVが編集協力し、10万回再生を目指しPR中です。
クラウドファンディングも実施。地方に住んでいるからこそできるチャレンジも
「MTV」も「チャップリンTV」も、趣は異なりますが、地域の魅力を伝えようという面では同じ。地元のネタを取り上げて、おもしろく紹介しています。
どちらのチャンネルも、素材の提供や撮影で、地域の方々が協力し盛り上げている様子が伝わってきて、日向市の人のあたたかさが伝わってきます。
地域に密着しているからこその取り組みも行なっており、MTVでは、クラウドファンディングで運営費を募集し、ファンを集めることに成功しています。
MTVでは、地元の企業や自治体からのオファーもあり、コラボレーションしてのPRなども行われています。
宮崎初の”キングコング西野亮廣講演会” を開催したい
現在チャップリンTVも、クラウドファンディングを実施しています。内容は、「宮崎初の”キングコング西野亮廣講演会”を日向市で開催したい!」というもの。
ベストセラーとなっている『革命のファンファーレ』を読んだチャップリンTVの主催者・帆足龍騎さんが「多くの人に伝えたい」と、本人にも直談判したのがきっかけになっているそうです。
「このクラウドファンディングを通じて、日向市のことを知ってもらい、訪れてもらいたい」といいます。
地域の魅力発信×動画の可能性
いま、動画マーケティングと地域PRは最も注目を集めている分野のひとつです。国内最大のYouTuberによるマーケティングを支援するUUUM株式会社も、福島県や高知県といった自治体のPRで成果を上げています。
今や動画での地域PRは、従来型の著名な芸能人をキャスティングした大型のプロモーションはもちろんのこと、個人のYouTuberがそれぞれの得意分野に特化したPR動画も活用することで、より広く、多くの魅力が伝えられるようになっているといえるでしょう。
宮崎県日向市という小さなエリアの2つのチャンネルが、今後どのように地域の魅力を伝えていくのかということに、ぜひ注目してみてください。