漆器を作るために欠かせない「漆(うるし)」ですが、実は国産品の割合は非常に少なくなっています。
神社仏閣の建造にも活用されるなど、漆が活用される場はある一方で、素材の減少が止まりません。
国産は僅か「1%」。このままでは国産の漆はなくなってしまう
越前漆器をはじめ、全国に1300種類ある伝統工芸でも活用されることが多い「漆」ですが、国産品の割合は、全体の1%しかありません。
99%は、主に中国産の漆が利用されています。
伝統工芸の現場であっても、100%国産品で作ることは、少しずつ難しくなっていると言います。
仕上がりの違いに見る国産漆の魅力
「同じ漆でも日本産と中国産では仕上がりや耐久性が全く違うんです」と語るのは、森田裕士さん。
福井県鯖江市出身で、越前漆器の蒔絵師として活躍する父をもち、福井県の伝統工芸をPRする活動を行っています。
漆器は海外では「japan」と呼ばれ、日本を代表する特産品として知られています。蒔絵の漆器は、マリー・アントワネットのコレクションにも入っていたほどです。このままだと、国産の漆がなくなってしまうかもしれません。
植樹し活用することで未来に繋げる

福井県の伝統工芸品のPRを行っている森田さん
森田さんは現在、福井県の伝統工芸を世界に紹介する映像制作を計画しています。
福井県を一歩外に出ると、伝統工芸のことはもちろん、職人の姿や思いは知られていません。
映像にして広く発信することで、福井に訪れてくれる人を増やしたいという思いがあります。
そしてこの映像制作は、制作費の一部を漆の生産地を盛り上げる活動にも活用し、漆の危機を救う試みでもあります。
制作費はクラウドファンディングで募集中。
伝統工芸を未来に伝える取り組みに注目です。