福井県越前町の漁業協同組合が新しいブランドを生み出しています。
その名は、「越前がれい」。
刺し身で食べられる越前町産アカガレイのブランド名です。
従来、火を入れずに食べられるのは水揚げ後1日足らずと言われた「越前がれい」が変わってきています。
鮮度を保つ技術を確立し、価値増強
越前町はアカガレイの漁獲量全国3位を誇っています。
従来は、焼いたり煮たりして食べることが基本とされていました。
火を入れずに食べられるのは水揚げ後1日足らずとされ、主に干物や煮物用として北陸圏で出回り、刺し身は漁師らの贅沢品となっているだけだったと言います。
漁獲高にも関わらず、アカガレイの市場価格は10年前の6割程度となる1キロあたり約500円となっており、漁協としては、付加価値をつけることが必須となっていました。
そんな中、「刺し身」に注目が集まります。
漁師だけが味わえる贅沢品を商品にしようという計画が始まりました。
刺し身で提供できるようにするには、特別な技術を習得する必要があり、漁師らが県漁連の職員から本格的に技術を学び、漁港ですぐに処理することで刺し身として商品化することを実現しました。
尾と頭に切れ目を入れて即死させ、血液を抜き取る「活かつ締め」と、身に針金のような器具を差し込んで神経を抜き取る「神経締め」
出典元: yomiuri.co.jp
という技術により、生で食べられる期間が3~4日に延びるとのこと。
本格的な出荷シーズンを前に、メディアを招いた試食会も実施し、準備は万端。
今期は、2倍以上の出荷を見込むと言います。
この事例はヒントになりそう
この試みは、新しい付加価値をどのように生み出すか、という問いに対して、従来ごく一部の人だけに提供していた価値を、広く提供できるようにした試みだといえます。
この視点は、「新しい付加価値をどのようにつければよいか?」と悩んでいる人にとってもヒントになるものではないでしょうか。