日本が世界に誇る産業のひとつが伝統工芸です。
全国には、1300種類以上の伝統工芸品があり、昔からの技を今に伝えています。
父の背中は、あこがれ
福井県の伝統工芸のひとつが越前漆器です。
漆塗りの美しい食器として、海外からも人気を集めています。
漆器に美しい絵を施す職人は「蒔絵師」と呼ばれていますが、作り手の高齢化、後継者不足により、現在25名ほどに減少しています。
「幼い頃から蒔絵師である父親の背中を見てきました。オヤジの技を知ってほしい、そして驚いてほしいと想い続けています」
と語るのは、東京でサラリーマンを務める傍ら、福井の伝統工芸をPRする活動を行っている森田裕士さんです。
地元をはなれてわかる地域の魅力
森田さんは、進学を機に地元を離れ東京に移ります。
東京に出てきてからも、地元の力になりたいと考えていました。
もともといつか地元のためになればと就職先も決め、マーケティング力を活かして、伝統工芸を活性化できたらと考えていました。
そんな思いで、東京で開催される地方創生セミナーなどで勉強を重ねていた森田さん。
地域を映像でPRするという方法を知ります。
ふだん目にしたことがない光景を映像であれば記録し、発信できると思いました。
それは蒔絵師の父の技を、世界に伝える手段になると思ったんです。
そこで森田さんは、「東京にいるからこそできること」を始めます。
世界中から驚いた人に訪れてほしい
伝統工芸の技に驚いて、福井を訪れてほしいんです。
東京は、日本各地から人が集まっています。
だからこそ、ここで福井の伝統工芸を紹介するようなイベントを通じて、まずは身近に感じていただきたいと思っています。
森田さんは東京でのイベントの傍ら、仕事の合間をぬって、福井に帰っては取材を続けました。
まずは自分自身が知り、伝える役割を担おうと考えています。
今回の映像は、プロのカメラマンと一緒に県内を回り、撮影します。目標は、世界基準です。世界中の人を驚かせるような映像を作りたいんです。
森田さんが世界にこだわっているのは、日本では当たり前に見える技術が、世界から見るとまだまだ新鮮なのではないかと考えているからです。
新鮮な目で見ることで、新しい魅力が発見できることを狙います。
クラウドファンディングを実施中!
伝統工芸の映像を撮影するための費用をクラウドファンディングで集めています。
伝統工芸という、日本の価値でありながら、課題が山積みの分野にあって、未来への希望とも言えるプロジェクトです。
プロジェクトページでは、森田さんの思いが綴られています。ぜひご覧になってみて下さい。