小布施人の、その場その場の「確信犯」のような想いが町をつくる
斎藤: 多く話題にあがったもうひとつのことが、町長が大宮さんを連れてきたことです。
大宮さんがいろいろしがらみがありながらも動けている状況が、小布施が5年ぐらい前から変わった潮目だとおっしゃっている方もいらっしゃいます。
私は、町長の思いみたいなのがいろんな人に伝播してるっていうように思うんですよね。
編集部注: 大宮透さんは、役場内にある、慶應SDM・小布施町ソーシャルデザインセンターの研究員。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科と、小布施町が協働して2014年より運営。ソーシャルデザインセンターでは、町の外の方々の様々ニーズと、町内にあるニーズを結びつけていくことを行っている。サマースクールの開催や、地域コミュニティの実態調査など、業務内容は多岐に渡る。
市村: 思いっていうかね。そのときの確信犯なんですね。
それはどういう意味かというと、小布施はけっこう町内会の自立性が高くて、良い意味で内向きのベクトルが強いんです。
そこへ行くと、「ここが最高だ」と思うし、そう言っちゃうんですね。
例えばA町内会ってところへ行くと、「A町、最高ですよね」って言うんです。
「お隣のB町内会はいまいちですね」みたいなこと言うわけです。
その場のその瞬間の確信犯だから。
で、次の日、B町内会へ行くと、「やあ、やっぱりA町よりB町だよね」って。
それが見ようによっては便利であるわけだし、八方美人なんだけど、でもその時々は確信に満ちてる。
本当にその場に行くとそう思っちゃうんですよね。
そういうものの連合体が小布施ということになると思っています。
若手が入れ替わっていくような魅力ある地域を作る
斎藤: 大宮さんのように、小布施に入って、小布施の町づくりを支えていく、リードしていくような人たちが増えていると思いますが、どのように考えていらっしゃいますか。
市村: 大宮君は、とても素晴らしいですよね。
ただ居着いてもらうのももったいないという思いもあって、だから同じような人が、次々に入ってきて、どんどん小布施から出て行って、世界で活躍する人になるような循環が生まれれば良いと思っています。
入れ替わるためには、その地域が常に魅力ある地域じゃなきゃだめだというふうに思いますね。