夏休みですが、東京都内の公園などではあまり子どもたちの姿を見かけません。高温注意情報等が出ているので、外で遊ばずにおうちでゲーム三昧なのかもしれませんね。しかし、「ファミコン」が出回り始めてまだ30年程度、「子どもたちがゲームにはまる」というのはここ最近のことなのです。
一方で、ゲームなどがなかったはるか昔から今まで、脈々と受け継がれている遊びもあります。今日はそのひとつ「独楽」の歴史をご紹介します。
独楽は、どこの国のもの?
独楽は実は世界中にあります。世界各地で独自に発展したらしく、様々な形のものが各地で発掘されています。
「回して遊ぶ」。単純だからこそ奥が深く、いつの日も少年たちの心をつかんでしまうのかもしれません。ちなみに日本の独楽に関する最も古い記録は平安時代。大陸から伝わってきた独楽で遊んでいたこと、また宮廷行事などでも使用されていたことがわかっています。
日本の独楽の変遷

独楽といってもいろいろな形のものがあります。平安時代に遊ばれていたのは「ぶちごま」または「叩きごま」と言われるもの。これは独楽を叩いて回す様式のもので、「叩かないと回らない」ことから別名「不精ごま」ともいわれるそうです。
鉄製のベーゴマが生まれたのは明治時代
また、江戸時代、江戸の子どもたちは巻貝を加工して作った小さな独楽で遊んでいました。徐々にぶちごまから今の「投げごま」に近い形のものになっていったようです。鉄製のベーゴマが生まれたのは明治時代。私たちがよく遊んだ「投げごま」が一般的になっていったのはそのあとのことです。
「どの柄を自分のものにするか」
この投げごま、遊んだ記憶がある方も多いのではないでしょうか?私は「どの柄を自分のものにするか」で弟たちと大喧嘩をした思い出があります。
高速で回るとまた違う美しさを見せる独楽の模様をずっとみていたくて、何度も何度も独楽を回し続けました。
独楽=ベイブレードなのかもしれません
しかし、今の子どもたちにとっては独楽=ベイブレードなのかもしれません。ベイブレードというのは1999年にタカラトミー社から発売され、漫画のヒットとともに2001年ごろに大ヒットした独楽のおもちゃなのですが、ベーゴマをもとにしながらも、いくつかのパーツからなり、自分でオリジナルベイブレードをつくれるのが魅力です。
昔ながらの独楽で遊んでほしい
どんどん便利になって、遊び方も多様化している「独楽」遊びですが、子どもたちが近未来的なプラスチックの独楽しか知らないのはなんだかさみしい気がします。
スローライフ、木のぬくもり、伝統工芸。そんな言葉が注目されている今だからこそ、昔ながらの独楽で遊んでほしい、そして子どもたち自身で工夫してさまざまな遊び方を編み出してほしい、と思います。日本の中でも様々な地域でオリジナルの独楽が伝承されているようです。
日本各地の美しい独楽を、それぞれの地域で子どもたちに受け継いで、さらに次の世代につないでいってほしいですね。
独楽といえばお正月のイメージが強いですが、家族で過ごすことも増えるこの夏休みに、昔ながらの独楽を使ってお子さんと独楽の技比べをするのも楽しいかもしれませんね。私も小1のお友達に独楽で勝負を挑んでみようと思います。