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丸亀町商店街:まちづくりは、まち経営(3)

丸亀町商店街:まちづくりは、まち経営(3)

    CATEGORY: AREA:香川県

香川県丸亀町商店街の再生についてうかがう第3回目。地域を再生するのに必要なのは全ての人がWINになることでした。


地域コミュニティさえあれば地域再生は可能

-まちづくりに大切なのは、その街を誇りに思う気持ちであるとか、良く聞きますが、それに対してはいかがですか?
(古)それは突き詰めていけば地域のコミュ二ティです。例えばこうした土地の問題は学術研究家にもできないし、コンサルタントでもできない。自分達でやるしかありませんが、それをやりあげる力になるのが地域のコミュ二ティ。わたしたちの商店街では日常いろいろと言いあったりもしますが、いざというときまとまれる団結力があるのですね。
-もしそういう力が無い場合というのは?
(古)コミュ二ティが崩壊している地域というのはもう無理と言っていいと思います。役所もそういうところは切り捨てるでしょう。選択と集中はそういうところにもきています。逆にシャッター商店街であってもコミュニティがあればいくらでも再生できるわけです。
常盤街という商店街があります。ここはターミナルをもっているので、通行量は私達より多いです。でもシャッターが6割閉まっています。現在は市から援助が入りましたので、ずいぶんシャッターが開いてきましたが、まだかなり閉まっています。日本一通行量の多いシャッター通り。なぜそういうことがおきているかというと、まさに地域のコミュニティが崩壊しているからです。
-普通はここからゾーニングをしたり、人が流れていくのではないでしょうか。
(古)確かに、二画一モールというのがビジネスモデルですが、百貨店とそれを結ぶ二つの導線、しかしここはシャッター通りになっています。
地域のコミュニティが崩壊しているというのは、どういうことかというと土地が外部に流出してしまう、つまり土地問題なのです。
例えば、倒産した商店の土地を、顔の見えない第三者が購入してしまう、といったことが多く、それは地域のコミュ二ティとは全く関係がありません。彼らは投資目的で土地を持っているだけ。要するに儲かるか儲からないか。まちづくりというような観点は全く無いのです。
私達は、倒産して外部に流出してしまいそうな土地は組合が買い支え、一切外部に出さないようにしています。これがコミュニティです。
オールwinな収支計画を作りなさい。

-これからがんばろうとしている人たちにメッセージはありますか?
(古)自分達が活動できるステージを作れ、ともっと大きな声を出すべきです。自分達はこういうアイディアをもっている、でもそれを実践するステージがない。それを地権者や行政につきつけなければなりません。土地問題さえ解決できれば、いくらでもステージがあります。
地権者は生き延びる、さびれた商店街通行量も増える、にぎわい活気がでて、地域の人も喜ぶ、民間投資で広場を整備できるので自由に使える。役所が作った広場は自由が無い。自治体は税収が増える。国は作った制度の効果が表れる。
こうしたオールwinの収支計画をいかにつくるか。だれかが割を食ってはならない。いままではこういうものを作りたい、といって役所に金を出させるから、まず役所が割をくう、そして一向に税収が上がらない。そうではなくて、役所も市民も地権者もみんなが恩恵を被るような、まちづくり計画というか、収支計画をいかにつくるか、なんです。
いかに精度を詰めて完璧な収支計画をつくるか。それに尽きます。
-どうもありがとうございました。
 
(古)どうもありがとうございました。