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定年後のIターン移住で見つけた、第二の人生。三陸ジオパークガイドが見つめる地域の魅力

みなさんは『ジオパーク』という言葉をご存じだろうか。ジオパークとは、地球や大地を表す“Geo(ジオ)”と公園の“Park(パーク)”を組み合わせた言葉で、地球の歴史・大地の成り立ちからその地の文化や自然を楽しむことができる場所を指す。

ジオパークには『日本ジオパーク』と『世界ジオパーク』があり、日本ジオパークに認定されるためには、日本ジオパーク委員会による審査が必要だ。日本ジオパークに認定された上で、ユネスコの認定を受けると世界ジオパークと名乗ることができる。2018年9月現在、日本ジオパークは44地域あり、そのうち9地域がユネスコ世界ジオパークだ。日本ジオパークの一つ『三陸ジオパーク』は、平成25年9月に日本ジオパークとして認定された、日本一広大なジオパークだ。その広さは、青森県八戸市から岩手県の沿岸を縦断して宮城県気仙沼市までと幅広く、南北約220km・東西約80kmで、海岸線は約300km以上におよぶ。

そんな三陸ジオパークの認定ガイドに、夫の定年退職を機に『茨城県久慈郡』から『岩手県久慈市』にIターン移住者がいる。偶然にも『久慈』から『久慈』へ移住したのは、金久 由美子(かねひさゆみこ)さん。今年3月から三陸ジオパーク認定ガイドを務め、現在は『久慈市民ガイド』の養成講座も受けながら、地域のガイドを目指し活動している。彼女は、どうして三陸ジオパーク認定ガイドとなったのか。そして、地域の魅力をどのように感じて暮らしているのか。話を伺った。

地域全体が博物館であり美術館であり、水族館

金久さんの夫は、岩手県久慈市の出身。長男である夫が両親の今後を考えて移住を決心し、共に移住した金久さんだが、意外にも不安は無かったそうだ。キャンプやアウトドアを好きだったため、自然豊かな久慈市に移住することには、ワクワクしていたという。

茨城県久慈郡に生まれ育ち、大学進学の際には東京へと移住。その後に就いた仕事では札幌市への転勤を経験するなど、様々な場所に住んだ経験はあるが、すべて都心ばかり。一方、岩手県久慈市は人口3.5万人ほどの地域である。金久さんが久慈市に移住して、まず困ったことは職だと言う。ハローワークで仕事を探したが、あまり求人は多くなかった。そして、最初は方言に慣れることが出来ずコミュニケーションが上手くとれないこともあったそうだ。

その後、久慈市での生活に慣れてきた金久さん。空いた時間で、習い事や勉強をしようと思ったが、教室は少なく、金久さんが好きな美術館も近くにない。学ぶことが大好きな金久さんは、物足りない気持ちの中にいた。

そんな時、偶然参加したのが『北三陸大地の恵み・ジオパーク推進連絡会』が主催する“ジオめぐり”だった。金久さんは、ここで初めてジオパークを知り、とても感動したという。動植物・生態系と人間の営み・文化は、大地と密接な関係があり、ありとあらゆるものが地質と関係していることにとても興味を持った。

都心部には大きな博物館があり、様々な展示物をいつも見ることができます。ですが、久慈では自然豊かな大地とそこに息づく文化から、学びを得られる。地域全体が博物館と言えます。これこそが、地方だからこそ味わえる醍醐味だと気づきました。

久慈市の海女文化や短角牛、南部鉄器までもが地球の歴史と関係している。その結びつきを、紐解いていくのが楽しいと金久さんは語る。

ジオパークの魅力を伝える側に

大学は文学部で、歴史や文化について調べることが大好きだった金久さん。だが、地学に関しては全く未知の領域だった。ジオパークの勉強は、中学・高校の地学の教科書を読むことから始めた。知れば知るほど、ジオパークの魅力に惹かれた金久さんは、イベントや講習会にも出来る限り参加した。

勉強を続けていくうちに、いつしかガイドをする側になることに興味を持った金久さん。三陸ジオパークが定める条件やテストをクリアし、今年3月に、晴れて『三陸ジオパーク認定ガイド』となった。報酬を得られる実践ガイドとしての経験はまだ無いそうだが、今年11月に行われる『東北ジオパークフォーラム』でガイドを務めることが決まっている。

移住者視点だからこそ見つけた、面白さ

久慈市に移住して5年目を迎えた金久さん。まだこの地で生活した時間が短い分、勉強を欠かしてはならないと考えている。時間を見つけて様々なジオサイト(ジオパークの観察ポイント)に足を運んでは、何冊ものノートにまとめ資料を作っている。

この地に生まれ育った方々が、普段何気なく見ていて「当たり前」と感じる光景。その光景を別な角度から興味を持ち、調べてみて「面白い!」と思えるのは「よそもの」の特権だと思います。

金久さんは、移住者ならではの目線が楽しいと語る。いちガイドとして、営業や宣伝は全然していないそうだ。周りからは「どんどんやっていった方が良い!」と背中を押されるが、今はまだ勉強し知識を得られることに喜びを見出している。

一方では、学んだことを伝えていきたい気持ちも持っている金久さん。ジオを楽しく学べる工夫が必要だと思い、久慈市の琥珀について絵本を制作するなどの取り組みをはじめている。一人だけでは出来ないこともあるので、今後はネットワークを広げて仲間を作りたいと考えているそうだ。

例えば、久慈市には縄文遺跡がいっぱいある。久慈市民ですら、あまり知られていない知識もあるんですね。地域にある貴重な情報を、しっかりと伝えていくことは大事だなと思います。

現在は久慈市市民ガイド養成講座にも参加し、ガイドとしてのスキルアップも図る金久さん。

『定年後移住』は今までの経験や知識が活かせるし、新しい生活のなかで第二の人生が味わえる。定年後も、学び続けられている今がとても楽しいです。

新たな場所へと移り住み、新たな趣味や生きがいを持つ方がいる。好奇心さえあれば、一見何もないと見えがちな地域のとらえ方も変わっていく。金久さんの挑戦は、今後多くの方に『新しい視点』を教えてくれるだろう。

★リンク三陸ジオパーク認定ガイド・金久由美子さんの紹介ページはこちら

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