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地域密着型のデザイン事務所を起業。Webデザインを地域に広げていく-岩手県久慈市

「都会」と「地方」のデザインをあえて対比した時、普段目に触れる看板やポスターなどの広告デザインがどこかトレンドから離れている感じた。流行のサイクルが早く、加えて競争も激しい都心とは異なり、地方ではなかなか洗練されたデザインが少ないのかもしれない。

岩手県久慈市にあるデザイン事務所グリステンは、久慈市広域エリアで広告制作を行なっている。同社は東日本大震災の一年後に、現代表の古舘豪紀(ふるだてごうき)さんが開業。古舘さんにデザイン事務所開業までの経緯や、地方とデザインについて話を伺った。

Uターンでの起業を決意した理由

古舘さんは車が趣味で、車内を飾るステッカーや芳香剤などを見ていた時、ふと「もっと素敵なデザインのものを作りたい」と思ったそうだ。それからグラフィックやデザインの分野に興味を持ち、22歳の時に実家のある岩手県野田村を出て、宮城県仙台市にあるデザインの専門学校に通うことにした。

専門学校の卒業後には、仙台に支店を構える予定だった印刷会社への就職が内定していた。しかし、内定後に東日本大震災が東北を襲う。印刷会社は仙台への進出を取りやめ、古舘さんは内定取り消しとなってしまった。やむを得ず、その後は仙台でアルバイトをして生活していた古舘さん。その間も、知り合いなどからチラシのデザインを頼まれ制作することもあったという。

震災後一年は仙台で生活したが、次第に故郷の岩手県野田村への思いが強くなった古舘さん。津波による被害が大きかった地元の野田村に貢献したいという思いが強くなり、野田村へUターン移住を決める。そして、隣市である久慈市にデザイン事務所を起業した。

地域ならではの距離感を大切に

久慈エリアは、津波による被害でお店や会社の看板が流されてしまったところも多く、新しく作り直す際にデザインの需要があった。また復興のためには、企業やお店・商品のPRにはポスターやチラシの制作が欠かせない。

だが、久慈エリアにはWebページのデザインを請け負う地元の制作会社は少ないそうだ。だからこそ、地域に密着した制作会社があれば、相談しやすい上に困った時にもすぐ問い合わせをかけるができる。そのメリットを多くの方に感じてほしいと古舘さんは考えた。

『明後日にチラシが欲しい』と言われて徹夜で作ったこともあります。良くも悪くも大きく頼られるというのは地元の企業ならでは、です。

タイトなスケジュールの仕事にも、出来る限り応えていきたい。それが、古舘さんのスタイルだ。別業者に依頼しているクライアントへの新規開拓は容易ではない業界において、デザインのクオリティの高さからお客さんの口コミで依頼は増えているという。

『お客様の想い』を一番大切にし、お客様が求めるものを提供するスタイルにこだわっているため何度でも校正を行なう。その真摯な姿勢が、地元で愛される秘訣なのかもしれない。

「センスがある」と言ってもらえるデザインを

同社では、昨年まで「グッデイマガジン」という三陸の情報を発信するフリーペーパーを制作していた。今は一旦制作を休止しているフリーペーパーだが、古舘さんは今年度中に再開させたいと考えている。

新たなフリーペーパーは、北三陸(久慈広域エリア)の情報発信はもちろん、読み物として楽しめる企画など、観光客が多い久慈に来た方々が持って帰っても楽しめるものにしたいという。

「北三陸って、田舎だけどセンスあるよね」と言ってもらえるような広告を作っていきたいです。ホームページを持っていない会社のサイトなどもたくさん手掛けていきたいし、そのためには自分の“目”も鍛え続けなければならないと思います。

センスあるデザインを発信できる、地域密着型のデザイン会社。同社が目指す姿が様々な地域で増えていけば、地方のイメージもまた違った形へと姿を変えるのかもしれない。

【デザイン事務所グリステン】http://www.office-glisten.com/

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