移住×地域仕掛け人市:地方で働くなら継業?必要なたった1つのスキル

東京で地方移住への関心が高まる一方で、田舎にはプレイヤーが圧倒的に不足している。人が減り、地域の当事者が少なくなるということは、地域経済の衰退に直結する。

東京に、人が集まりすぎじゃない?

そう問うのは、三重県尾鷲市で地域の情報発信を目的とした施設「夢古道おわせ(夢古道の湯)」の支配人を務める伊東将志さんだ。

2018年6月30日(土)の13:00〜19:00に東京・恵比寿で、本当に自分に合う地域や仕事・チャレンジの機会を探している都市部在住の方と、地域で新たな事業・チャレンジを仕掛けている人=『仕掛け人』を繋ぐマッチングイベント「地域仕掛け人市2018」が開催された。

「地域仕掛け人市2018」では、全国各地の地域で活動する約30団体の出展ブースが設置され、各地域の”仕掛け人”と直接話ができることに加え、”仕掛け人”たちによるトークセッションが行われた。

今回トークされた4つのテーマの内、伊東さんがファシリテーターを務めたセッションが「継業(VS起業)」だ。

登壇者:友田 景さん
七尾街づくりセンター株式会社・ローカルベンチャーアテンダント
大学卒業後、テニスインストラクターを経て、2001年に大阪府柏原市議会議員選挙において最年少・最高得票にて初当選。2007年以降はコンサルティング会社などで、中小企業の事業再生や事業承継支援、CSR経営・CSVを通じた経営支援、社会的インパクト評価(SROI)の活用による行政や企業のマネジメント改善等に取り組む。2017年5月に株式会社ビズデザイン大阪を設立し、代表取締役就任。関西に拠点を移し、その後同年10月より「七尾ローカルベンチャーアテンダント」に就任。企業と地域の生き残り支援をすべく2拠点居住で活動中。

登壇者:岡本竜太さん
能登の人事部・コーディネーター
1988年岐阜県高山市生まれ。横浜国立大学を卒業後、新卒で地元へUターンして、旅行ベンチャー企業へと就職。 飛騨の里山を活かしたサイクリングツアーなどに関わりました。1年の契約期間を終えたのち、他地域での仕事に関心を持ち、石川県へ移住。現在は、能登半島・七尾市のまちづくり会社「株式会社御祓川」にて移住/インターンシップ等のコーディネーターとして活動しており、地域外からの人材受入対応の実績多数。さらに近年は、地元の中小企業への採用支援、社員研修などのサポートを行う能登の人事部の事業担当者として奮闘している。

地方で求められる、移住×継業

「夢古道おわせ(夢古道の湯)」支配人 伊東将志さん

伊東さんは、三重県尾鷲市で生まれ育ち、44年間ずっと同じ地域で暮らしているという。そうすると、色々な相談ごとが伊東さんに集まってくるそうだ。

地方には台本がいっぱいあるんですが、役を担う人がいない。本当は、たくさんある台本を誰かに渡していきたいんです。

経営上苦しいという理由ではなく、後継者がいないという理由で、地元企業や商店が廃業していっている。売上もあるし、お客さんもいるし、物件まであるのに。

例えるなら、継業の案件は「師匠付きの居抜き物件」です。継業する人がいれば、その企業やお店は無くならずに済むんです。

尾鷲市では、地域おこし協力隊の制度を活用して、「継業」する人を誘致している。4年で11人が地域おこし協力隊として尾鷲市に来て、会社が2つ設立され、空き店舗が3つオープンしたそうだ。

地方移住し、縁もゆかりもない地域でチャレンジする

能登の人事部・コーディネーター 岡本竜太さん(右)

「能登の人事部」の岡本さんは、セッション中に能登半島・七尾市での事例を紹介してくれた。その1つとして、いわゆる事業承継ではなく、移住して地元企業に入って新規事業に関わることで、家族以外の人材が初めて経営層に加わった事例を話してくれた。

その彼は27歳で、能登には全く縁もゆかりもない人です。外から新たな人材が入ったことで、海外市場を開拓しつつあります。

縁もゆかりもない人が来てくれるということに対して、地域に人たちはどのような捉え方をしているのだろうか。岡本さんは、現場のリアルを共有してくれた。

そもそも来ると思ってないパターンが多いですね。「うちなんかに来るんか?」みたいなパターンが多くて、拒否感というのではなく、来ると思ってなくてどうして良いのか分からないというが多いです。

七尾街づくりセンター株式会社・ローカルベンチャーアテンダント 友田 景さん(左)

「七尾街づくりセンター」の友田さんも、次のように語る。

「来てくれる」ということが、地域の人にとって想定外のことなんです。想定外の時、人はリアクションが取れないじゃないですか。フリーズしちゃうんです。それを溶かすのに時間がかかるので、岡本さんのような第3者の存在が大事だなあと感じます。

また一方で、外から来る若い人に対して、全ての地域の人たちが歓迎ムードというわけでもないと、色々な地域に関わる友田さんは伝えてくれた。

できっこないと思っている人たちもいます。それは、自分たちのある種のプライドであったり想いであったり、中には自分たちがやってきてできてないことを他の人がパッときてパッとやられると、やっぱりメンツが潰れるわけです。

いつか分かってくれると思っていますが、まだ冷ややかな見方をしている人がいるのも事実です。

田舎では、しがらみや面倒なこともある。まずは、遊びに行ってみる、祭やイベントに参加してみるというところから、その地域のコミュニティとの相性を探ることも大切だ。

移住×継業にスキルは必要ない?

「地方に移住し、継業したい人に求められるものは?」という問いに、友田さんは、次のように答えてくれた。

スキルは無くて良いです。むしろ、無い方が良い場合もあります。それよりも、勢いや想いが重要だと感じています。

七尾は、牡蠣の養殖が盛んですが、養殖業の人に聞くと、自分も30歳でUターンして40歳から養殖業を始めたという人もいるんです。

その方が、「何も知らなくて良い。この海を愛してくれて、この牡蠣を愛してくれたら、それで良い。誰でもできるよ。だって、俺ができたんだから。」と、話してくれました。

「事業承継」という言葉があるが、大切なのは会社という形を残すことではなく、そこにある想いを継いでいく人だと、友田さんは伝えてくれた。

きちんとSOSを出す重要性

最後に、友田さんは地方に移住し、生きていく上で大切な力についてシェアしてくれた。

それは、「私は、これができません。」ときちんと言えて、周囲にSOSを出せる力だという。それができた方が、仕事でも、生活でも、地域の人とコミュニケーションができる。

地方に移住しても、「自分で頑張らなきゃいけない。泣き言を言っちゃいけない。」と、思わなくて良い。人は本質的に、困っている人がいたら助けたいと思う生き物。だから、困っていることがあったら助けてほしいと素直に言おう。

1人で全て解決しようとせず、きちんと人に相談する。見知らぬ土地へ移住し、生きていく上で大切なことだ。

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