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インタビューに答えていただいた地域プロデューサーの齋藤さん

産業の構造を大きく変え、人間の仕事を奪うといわれているAI/IOT、2017年から台頭してきた仮想通貨ICO、そして過去からその重要性が議論されているベーシックインカムは、ネクストコモンズラボなどが提唱し多くの人に知られることになりました。

これらの流れを引き継いで2018年は、どんな世界になるでしょうか?全国各地で起業家育成、仕事づくりを行う地域プロデューサーの齋藤潤一氏に話を聞いてみました。

2018年は、あまり働かなくてもよい1年になる

ーずばり、2018年は、どんな1年になるでしょうか?

2018年は、もっと働かなくなる1年になるとおもいます。これは、仕事をさぼるというわけではなく、お金にとらわれず、楽しいことや好きを追求していれば、そこにヒト・モノ・カネが集まり、いやいや働くことがなくなる。

すなわち、好きなことを追求する人への価値が高まり、これまでの「働く」という概念がかわるという意味です。

好きをとことん追求している人への価値が高まり、全体的に仕事も遊びの境界線が、ますます薄くなってくるとおもいます。

嫌な仕事は、するな!って言いたいですね。嫌な仕事をしている人は、どんどん減ってくるような気がします。

ーすなわち好きなことだけをしていれば良いということですか?

この話になると、「そんなことはいまの会社では無理だ」「好きなことがみつからない」という議論になりますが、「好き」を仕事にして社員の創造性を発揮できない組織は、衰退していくと思います。

誰でもできる仕事は、ますますAI/IOTに置き換えられるからです。

好きというのは、「好奇心」にいいかえられます。好奇心をかきたて、社員の創造性こそが、新しい未来を生み出し、それは、企業での価値になります。

好きなことだけをしているかどうかよりも、クレイジーなほど好きを追求しているかどうか?が大事になります。

ー好きなことがみつけられない人は、どうしたらいいでしょうか?

「好きを仕事に」を実践する石川美里さん(みらい畑株式会社)

そもそも好きなことというのは、なかなか見つかりません。僕だってよくわからない。常に模索しながら、整理しています。さらに、この好きは、外的要因により変化していくことを認知する必要があります。

「好き」や「楽しい」ことっては、インセンティブ(報酬)とモチベーション(動機)のバランスが上手にとれたときに、認知されるのではないだろうかと想います。

去年から携わっている宮崎県新富町では、好きを仕事にしている人がどんどん集まってきています。その中の一人が、昨年新富町に移住して創業した、みらい畑株式会社の石川美里さん。

彼女は、有機野菜で社会課題を解決する取り組みをしています。宮崎県の肥沃な土壌を活かし、有機野菜を栽培、シニアなどの雇用拡大促進をめざしています。

この取組は、町民や各種メディア関係からも非常に高い評価を受け、彼女の好きな仕事のモチベーション(動機)、やりがいと結果というインセンティブ(報酬)がうまくシンクロしているように思います。実際に彼女の野菜は非常に味がしっかりとしていておいしく、市場での評価も高いです。

ー「好き」を持続可能するには?

みらい畑のカブ。食べたお客さんからの評価も高い

シンプルに応えると、「人の役に立つことをすること」です。

「人の役に立つ」ということはすなわち価値を提供し、喜んでもらえることとも言い換えられます。

そうすると人に喜んでもらえる(報酬)が確立します。自分が人に喜んでもらうのはそんなに難しいことではないです。「いつもありがとう」とメッセージを送るだけでも喜んでもらえます。

そういうことすら、忘れがちなど、まずはそういうところから始め、継続するだけでもだいぶ変わるのではないでしょうか。

また、自分自身でできるのは瞑想。その他外的要因として、コンサルタントではなくて、コーチの役割が大きくなるような気がします。

仮想通貨、ベーシックインカムなどで地域づくりは、どう変わりますか?

正直わかりません。これは、質問への回答を投げ出しているわけではなく、いまはVUCA、すなわち不確実性の時代であるとも言われているため、答えがない時代だからです。*1

どんな予想をたてても、1夜にして覆される可能性があります。ですから、予想や予言に時間をかけすぎると危険です。そんな暇があったら好きな事をとことん探して、追求する時間にしたほうが、断然、費用対効果が高いです。

1つ確実にいえるのは、人々の生活や価値観は多様化すること。なので、自分が居心地がよいコミュニティなどで好きを追求していくことが大事です。

その「好き」が仕事となって、信頼になり、なんらかの形の価値になってかえってきますから。それがICOだろうとベーシックインカムだろうとなんでもよいとおもいます。

お金とは価値の数値化。価値とは、信頼で、信頼のあるところに集まる。これ自体は、これまで通り普遍的であると思います。

ー最後にこれから地域づくりに携わる人にメッセージをください。

呼吸に意識を向けてゆっくり生きよう」と語る齋藤さん

まちづくりは、マラソンに似ています。常に敵は、外=他の街にあるのではなくて、自分との戦い何じゃないかなぁと思います。

ICOは西粟倉村、ベーシックインカムは遠野など、すでに先にスタートしている地方自治体があります。

これからスタートしたとしても遅い早いはないと想います。地域には地域ごとのスピードや進め方がありまます。走り続けるだけが地域づくりではなく、少し立ち止まって、まわりをみまわし調和するのも、地域づくりの1つです。

ーなかなか一歩踏み出せない人も多いと思いますが

歩みはとめないほうがいいですね。がむしゃらでもいいか、歩み続ける。
社会=人間の意志は、前へ前へ、未来へと進みたがっています。

だからといって無理にいそがなくてもいいし、休んでいい。時代の流れにとりのこされないように、少しずつ進めばいい。歩みを完全にとまって、ぬるま湯に浸かりすぎると、ワクワクが薄れていきますので注意が必要です。

前へ進むエネルギーを自分の地域とうまく絡ませられれば面白い。

そうしていけば、地域づくりって、きっともっと楽しいはず。そういう人達が自然と増えていけばいいなぁって思ってますし、
そのためにも自分たちも前へ進んでいるエネルギー発信していきたいと思っています。

2018年もよろしくお願いします

写真協力:こゆ財団
all photo by WAKI HAMATSU
*1(VUCA(ブカ、ブーカ)はビジネス用語。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、 Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたアクロニム。1990年代後半にアメリカ合衆国で軍事用語として発生したが、2010年代になってビジネスの業界でも使われるようになった。wikipediaより引用)