猫に魅せられた歴史上の人物として名前が挙がる一条天皇の逸話をまとめてみました。
猫を溺愛した一条天皇
一条天皇は第66代の天皇で、藤原文化最盛期に天皇の座にいらした方。皇后さまとともに動物好きで、天皇は猫を、皇后は犬を飼われていました。
名前も一流! 「命婦のおとど」
一条天皇が飼われていた猫には、「命婦 (みょうぶ) のおとど」という名前がつけられました。命婦のおとどというのは、身分の高い婦人につける敬称。
如何に大事に飼われていたのかが分かります。
猫のために乳母をつけ育てる
一条天皇の飼い猫・命婦のおとどには専用の乳母がつけられていました。「馬の命婦」と名付けられた女性は乳母として命婦のおとどの側にあったそうです。
おとどを脅かした犬は島流し
居眠りをしていた命婦のおとどを少しおどろかせてやろうと思った乳母が、皇后が飼っていた犬「翁丸」をたきつけたときのこと。
命令された犬が命婦のおとどを脅かしたところ、天皇はこれに激怒。翁丸は犬島へ島流しにされてしまいました。( 翁丸は後に犬島から戻り宮中で飼われています。)
出産時には名だたる貴族を交えお祝い
命婦のおとどが出産した後、当時の祝いの儀式である「産養い」という祝宴を設けています。
これは藤原道長や藤原顕光といった名だたる貴族によって執り行われたそうです。
これらの逸話は、清少納言の「枕草子」にあるお話。岡山県にある犬島が、この話に出てくる島ではないかという説もあります。
参照元:Trace, 岡山市 清少納言の枕草子と犬島