佐賀県の有田焼に学ぶ、伝統文化の現状とは。

伝統文化とは・・・

日本各地のさまざまな環境の中で、遠い昔から今日に至るまで独自の生活様式や、習慣・慣習などが受け継がれてきました。
そうした生活の中で受け継がれてきたものが、染や織、陶芸といった伝統工芸や、踊りや神楽、囃子、獅子舞といった伝統芸能という有形無形の「伝統文化」として継承されてきました。
伝統文化の中でも産業と強いかかわりのある伝統工芸について、その現状をまとめてみました。

需要がない!?後継者がいない!?原因は・・?

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伝統工芸品産業は、数十年間減少が続いています。
伝統的工芸品産業振興協会の調べによると、1974年から2009年までわずか35年の間に、生産額、従業者数とも30%ぐらいになってしまいました。
それらの主な原因は以下の通りです。

  • ライフスタイル(生活様式)の大きな変化
  • 大量生産による安価な生活用品の普及と、海外からの安価な輸入品の増大
  • 若年層の就労数の低下および、作り手の高齢化による人材不足

1点目のライフスタイルの変化
高度成長期が終わり、安定成長→バブル→バブル崩壊へと向かう中で、ライフスタイルにも多様性が生まれ、家族構成や住宅環境も様変わりしてきました。
住宅環境でいえば、和室がない家も増えてきており、仏壇を置く家が減ってきています。ましてや、石灯籠がある家などは都心ではほとんど見かけません。
花器や茶器といった生活用品がない若い世代の家庭も増えているのではないでしょうか?

2点目の大量生産による安価な生活用品の普及
については、利便性や機能性が重視され、使い捨て思想や、目新しさ・流行を追い求める流れが戦後長らく続いてきました。

3点目の雇用について。
伝統工芸の技術は徒弟制度によって伝承されていくことが多いです。伝統工芸で一人前になるためには少なくとも10年は修業が必要だといわれ、そのような雇用環境も受け入れられにくくなり、若者が集めりにくい状況になっています。
もちろん、少子化による若者の絶対数の減少や、若者の高校・大学進学率が高くなっていることも、伝統工芸産業への就労が減っている原因になっています。

明るい兆しも!?

以上のようなライフスタイルや消費動向の変化の一方で、伝統的なものへの回帰や、質の高い本物指向が見られるようになってきています。

日本の伝統工芸品に対して、国内外の人から高い関心が良さられている例もたくさんあります。

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琵琶湖の西側に広がる滋賀県高島市には、京阪神からのアクセスの良さと美しい水や緑などの自然環境を追い求めて、多くの作家さんが移り住んでいます。

年に2回、「風と土の工藝」という作家さんの工房や住まいをめぐるオープンアトリエ的なイベントを開催し、たくさんの人でにぎわっています。

世界が有田焼に注目!

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その他に、「地元シゴト」では過去に、世界が注目する有田焼を取材しました。
(参考記事:世界のVIPが注目する新有田焼の挑戦
そこでは現代にマッチしたデザインと職人の技術がコラボレーションし、海外を中心に100万個の販売を突破しています。

以上のような需要から、昨今のクールジャパン戦略も加わって、海外へのマーケットを求め、海外の見本市や展示会に出展するケースも増えてきています。
今治タオルがニューヨーク・ホーム・テキスタイル・ショーを連続受賞したり、熊野筆のように世界で確固たるブランドを確立しているものもあります。

時代の変化とともに、伝統技術を最先端製品に応用

石川県の伝統工芸「輪島塗」は、伝統技術を活かしたスマートフォンカバーを制作しています。
また、日本の金属加工シェア90%以上を誇る新潟県燕市は、その研磨技術がiPodに活用されているのは有名ですが、精密さが必要とされる飛行機主翼部分の研磨も行っているそうです。

少し話はそれますが、世界各国、老若男女が履いていて、ハリウッドセレブの最先端ファッションでも履かれているビーチサンダルが実は、草履や下駄の伝統をもとに、戦後日本で生まれたらしいです。

まとめ

まさに地域の活動とともに、伝統文化は発展してきました。
それらは形を変えずに守り続けていくものや、時代とともに、社会環境の変化に合わせて形を変えるものがあります。

地域に根付いた伝統文化を守ることは、地域資源を活かした循環型社会の実現につながります。
伝統文化を、少しでも多くの人に知ってもらい、未来の子どもたちに繋げていきたいと思います。

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