熊本市内に広がるアーケード商店街のストリート上でパフォーマンスアート活動を展開するとてもユニークなStreet Art-plex。そうした活動を路上で行うことにこだわるのは一体どういう想いが込められているのでしょうか。
衣・食・住+表現
「表現の世界をもっと身近なものにして、衣・食・住に『表現』を加えていきたいと思っています」とStreet Art-plex葉山氏は言います
その想いはStreet Art-plexのホームページに
「市民~表現者~行政が一体となって高質で多様な都市文化を生み出すコミュニティプロジェクトです。水道/ガス/電気/衣服/通信などのライフラインと同じように重要な意味をもつ「自由で真摯な、人間らしい表現」による感性に響く、うるおいある街づくりをめざします。」
と示されているように、表現することや文化活動に触れることは、人間らしい生活を営むために大切な要素であることを、もっと多くの人に気づいて欲しい、感じて欲しいというのが、彼らの願いでもあるのです。
そのために、生活と表現活動との隔たりを無くし、当たり前のように常に側にある存在となるきっかけにしたいからこそ、オープンパブリックなスペースであるストリートで活動を展開しているのです。
ストリートや広場は情報を発信するための媒体
春の「大道芸」、 夏の「JAZZ OPEN」、秋の「EXTRA VEGANZA」という3大イベントを軸に、どんどんとストリートでのアートを展開されてるStreet Art-plex。
「道や広場は、人が行き交う通路であると同時にメディアでもあります。情報を発信するための媒体として活用するというのはとても有効だと思います。」と葉山氏は言います。
昔のまちには道が行き交うところに広場があり、例えばローマ時代やギリシャ時代などの広場の果たす機能は人々が集い、憩い、情報を交換し合う場としての機能がありました。
そうした人々のパワーがみなぎる場である、パブリックスペースとしての命を甦らせているまちづくり活動なのです。
任せるのではない、やりたいことにパワーを集中。
イベントの様子を拝見すると、西日本で一番お客さんが集まるJAZZイベントなどもあり、とても華やいだ雰囲気で行われているのに目を奪われます
「いえいえ、結構ギリギリの予算でやってますよ。」と笑いながら言う葉山さん。
イベントのときも、ステージをつくらない、看板は作らない、派手な広告はしない等そぎ落とせるところは極力削っていく姿勢でいくと言います。それよりも中身、コンテンツに入れ込み、やりたいことに対して注力することこそが大事なのだと。
「もちろんイベントを専門にされている方にお願いすればもっと簡単なのでしょうが、そうすると、みんなが好きな、みんなが知っている、みんなが喜ぶ、有名な人を呼ぶ、という、イベントの中身が『安全なもの』になりがちです。」
人の心を揺さぶるには、自分達が本当にやりたいものをやらなければ伝わりません。その大切なところは決して人任せにしてはならないのです。活動に責任をもち、伝えたいものを伝える。その姿勢を貫いてきたからこそ、Street Art-plexの活動もここまで多くの人に支えながら続いてきたのではないでしょうか。