シンガポールの社会起業家達が集い、互いの活動を支援し合いながら活動の輪を広げる”SEforum”。シンガポールを元気にする彼らの活動とは一体どのように展開されているのでしょうか。
社会起業家の連携で社会貢献を進める
“SE-forum”では、シンガポールや香港の社会起業家達が集い、互いの活動を支援し合うことでより彼らがより活動しやすいシステムを作ることを目的としています。これは、一個人であったり一組織だけでは困難なことも、つながりや助け合うことで実現できるものがあるのではないか、という考えによって設立されました。SE-Forumの主宰者の一人Andrew Wang氏も自身が色々な経験を積んでいくなかで、人間は一人では生きていけず、他者であったり社会であったり、そういう人のつながりによって生きていると感じたことがその起源であるといいます。
“Who I am ?”
社会に貢献したいと考える人はたくさんいるけれども、何をすればいいか分からないと迷ったり、看板だけで社会貢献というものを真剣に考えていないという現状がシンガポール国内にもあるといいますそうです。社会に貢献したいという気持ちを実現するために重要なことは「”Who I am ?”(私は一体何者なのか?)と、自分に対して問いかけ続けること」と、Wang氏は訴えます。自分は一体何者で、そうしてそういう気持ちが芽生えたのか、自信は何がしたいのか、何ができるのか、そういった問いかけを自分自身に投げかけることで、答えを自分で見つけることが社会起業家としての在り方を決める重要な過程であるのです。
社会に種を播く
現在でこそSE-forumは国際的展開も成し遂げ、多くの社会起業家達を支援できていますが、設立当初はその運営も相当厳しかったようです。こうした社会起業家というのは決してかっこいいわけでもなく、地道な積み重ねの連続であり、また、利益と社会性との兼ね合いいうジレンマという問題にも悩まされます。継続的に活動していくためには、支援や寄付に頼るのではなく、やはり独立した形での運営にシフトしていかなければならないという問題もあります。こうした過酷な条件のもと、社会起業家として続けていく意識としてだ大切なこととして、「私たちがしていることは、社会に対して種を播き、水をやり、育っていき、実をつけ、みんなで食べて、それがまた種になって…、その繰り返しなのです。」とWang氏は言います。主役はあくまでも自分達ではない、それこそ社会の利益を考え、自らは種を播く存在であるという姿勢を貫くことが大切なのです。