東京での通勤通学でもっとも忌み嫌われているのが、満員電車でしょう。超満員の電車に詰め込まれ、目的地まで連れて行かれる・・・。
満員電車が嫌で、地方暮らしを検討している方も多いでしょう。しかし注意しなければいけないのは、地方にも「満員電車はある」ということです。
地方の電車のリアル
地方の満員電車は、東京のものとは質が違います。ここで少しイメージしやすいように、ストーリー仕立てにしてみましょう。ここでのケースは、1時間に1本の普通電車が運行する場合を想定しています。
あなたは、宮崎県宮崎市のインターネット関連企業に務めているサラリーマンです。居住地は隣町の新富町。移住者であるため、電車での通勤を行なっています。
9時に始業開始なので間に合うように出ようとすると、7時15分発か、7時36分発に乗る必要があります。
新富町から宮崎市まではおよそ30分くらいですが、1時間に1本の運行ため、この後は8時45分まで電車がありません。
「ローカル線あるある」ですが、1時間に1本程度の運行の場合、自分の目的に合うぴったりした時間になることが少ないんです。
遅れるわけにはいきませんから、「すごく早い」という状態になりがちです。
通勤時間と通学時間が丸かぶり問題
遅れずに駅に到着し、プラットフォームで待っていると2両の電車がやってきます。
扉が開くと、ドア前まで人がいっぱい。学生服の集団が車両の大部分を占めているようです。東京の満員電車のように殺人的な密度ではありませんが、十分に満員電車。座席も、東京の車両のように立つ人を多く想定していない、4人がけのボックス席が大半です。
狭い通路に詰め込まれて、電車が出発します。
運行本数が少ないですから、当然学生の通学時間とも重なります。そして電車の形状も災いし、満員電車になってしまうんです。
通学する学校が都市部にあり、そこへの主要路線が限られている場合、全国どこでも同様の光景が繰り広げられているといえるでしょう。
単線の場合、電車の行き違いで満員電車のまま数分を過ごさなければいけないこともあり、少しずつイライラが募るなんてこともあるかもしれません。
移住の際にはシミュレーションをしっかりと
このように、地方といえども条件が重なると満員電車が生じます。地方移住し、働く場所と住まいが遠く、電車での移動をメインに考えている場合は、一度想定する時間に乗車してみて、実際どのようなものなのかを把握するのがおすすめです。
そして注意が必要なのが、都会のように前倒しすれば空くかというと、必ずしもそうではないということも覚えておきたいところ。運行本数が限られているため、ある程度前倒しても、ガラガラにはならなかったりします。
朝の通勤が苦痛だと、想像以上にストレスが溜まるもの。だからこそ、事前に十分にシミュレーションし、場合によっては車通勤に切り替えたり、住む場所を再検討するのが良いでしょう。
ちなみに宮崎県は、日本一通勤時間が短い県として知られています。通勤に電車や車も良いですが、徒歩で通える距離に住むというのも手。
移住を検討する際には、通勤環境も忘れずに確認し、快適な生活を送りたいですね。