PR for 日向ドラゴンアカデミー
宮崎県日向市で開催されている「地域で稼ぐ人財を育成する」講座、日向ドラゴンアカデミー。第4回目の講座が開催されました。
ゲストは、フードコンテンツデザイナーの小野茜さんです。
日本中の「おいしい」を伝える仕事
小野さんは、フードコンテンツデザイナーとして日本中の「おいしい」を全国に伝えるために、地域や生産者の方と一緒に、食のイベントや、プロモーション、企画やPRを行っていらっしゃいます。
代表的なイベントが、「日本を代表する収穫祭」として毎年六本木で開催されている「東京ハーヴェスト」。全国各地から農家、漁師、酪農家などが集う食の祭典です。
(小野さんは、昨年より実行委員メンバーとして同イベントの運営に携わっています)
なぜ宮崎県の特産品「へべす」が東京で売れたのか?
日向市の特産品のひとつに、幻の柑橘として知られる「へべす」があります。実は「へべす」は昨年の東京ハーヴェストに出店し、大好評を受けた逸品。
そしてへべす生産者である農家の黒木洋人さんは、THE HARVESTAR☆(世界に誇る日本の生産者の努力と功績を称え、感謝の気持ちと共に表彰される賞)を受賞するなど、このイベントは、東京でのへべすブームを牽引することになりました。
このきっかけとなったのが、小野さんです。
「へべすを、どういう人が、どんな思いで、どういう食材を作っているのかを知って、感情移入してしまった」と笑う小野さん。
地方の食材は東京で求められています
と語る小野さんが、東京ハーヴェストでの「へべす」を例に、その理由を語りました。
地方の食材を東京で売る4つのポイント
東京は、地方の良いものを探しています。美味しい食材を常に探しているから、チャンスがたくさんあるはず
と、小野さんは指摘します。
これは言い換えれば、地方の食材にニーズがあるということ。ニーズがあるところに売り出していけば、それはビジネスになっていきます。
わかりやすいストーリーで伝えているか?
へべすはよく、カボスやスダチなどの柑橘類と比較されますが、「違うからこそ売れた」ともいえます。
つまり、他の柑橘と比べてどうかという切り口や、生産量が少なく幻と言われているという切り口など、色々な見せ方があり、それがわかりやすいからこそ興味を引くわけです。
地道にアピールしていく
東京ハーヴェストで小野さんが印象に残っているのは、へべすチームが地道な広報活動をしていたことだといいます。
へべすの被り物をして、チラシをもって、会場を歩き回って、ひとりひとりに話をしていく様子を見ていました。最初はぎこちなかったんですが、帰ってきたときの顔は見違えるようだったんです。
どんなに素晴らしい食材であっても、ひとりでに広まっていくわけではありません。
そこには、情報を求めている人たちに、地道にアピールし、伝えていくという過程があることがわかります。
実際に食べてもらう
東京ハーヴェストでへべすチームが提供した「へべすうどん」は大変好評だったそう。
「食べてもらえば良さがわかる」と、農家の黒木さんが言うように、実際に試食までつなげられると、美味しいという言葉が聞かれたといいます。
実際に食べてもらうところまでを、どのように描くのか。地方の食材を東京に売り込む際に欠かせないことだといえます。
行動と改善がすべての基本
地方の食材を東京に売り込むためには、東京では売れないと思っている考え方そのものを改めなければいけないでしょう。
まず売ってみるという行動を起こす、そこから全てが始まるということをへべすの事例は教えてくれています。
一度売れれば、また出ようとなりますし、そこでダメでも、ではどう改善したら良いかという、次の一歩が踏み出せます。
行けばなんとかなる、という気持ちで動き出すことが大事だと思います。
こう語るのは、農家の黒木さん。へべすを通じて行動を起こしたことで、今では東京との繋がりができ、まち同士の交流が少しずつできるようになっているといいます。
地方の良いものを探している人たちがいるということを自覚して、どのように「一度食べてもらうか」を考えて、行動する。その結果を受けて改善する。
そしてまた行動するという繰り返しが、地方の食材を東京で売るために大事なことだといえます。