「有機農業の町」として知られる宮崎県綾町は、有機農業をはじめ、多種多様な農業が営まれています。
実は農業には顕在化していない、大きな課題があります。
隣の畑がどんな方法で農業をやっているのか知らない
「農家さん同士の情報共有がほとんど行われていないです」と語るのは、綾町で農家さんの販路開拓を支援している梶山剛さんです。
極端な場合、隣の畑でどんな作り方がされているかを知らないという場合もあります。良い情報も悪い情報も共有されず、農家さんが一人で悩んでしまうという状況が当たり前になっているんです。
共有する場がないことが課題
農家同士の情報共有が行われていないという状況は、既に解決された問題を0から解くことを繰り返すという状況を招いているともいえます。
例えば、栽培方法での課題の共有や、新しい農耕地を探すといった場合などでも、誰かが既に解決したり、乗り越えた壁である可能性もあるというわけです。
「農家さんのための情報発信」が未来を作る

農家さんが繋がりによってビジネスを拡大している
いきなり農家同士のネットワークを構築することは一筋縄ではいきません。
そこで梶山さんが考えたのが、「農家さんがゆるく繋がれる場」を作るというものでした。
「農業の魅力を伝える場」を作ろうと考えています。買い手と売り手を繋げることが目的ですが、実は農家さん同士を繋げていくことも狙っています。気軽に立ち寄れる場を作ることで、良いことも悪いことも共有できて、一緒に頑張れるような関係値が作れればと考えています。
農家さんが大好きという思いが原動力
梶山さんには、手応えがあります。
農家さんが大好きで、毎日農家さんのもとに通いながら雑談をしています。でも雑談から、農家さんの悩みが解決することもあるんです。ある農家さんの悩みは、別の農家さんが既に解決していることを知っていたので繋いで解決することもありました。
梶山さん自身は農家ではありません。
だからこそ、「農家さんが大好き」という気持ちだけで、独自の繋がりを作っていっています。
クラウドファンディングで仕組み作りの資金を募集中

美味しい産品を作るためには持続可能な農業が必要
この繋がりをより開かれたものにしようと、現在取り組んでいるのが「農家さんが気軽に立ち寄れる場」を作ること。
場作りのための資金をクラウドファンディングで募集中です。
情報が共有される場があるということは、新規就農者や移住者といった方々はもちろん、ベテラン農家にとっても、有用なものとなるはずです。
農家さん同士の緩やかな繋がりが、持続可能な農業を現実にするのではないでしょうか。