医療的ケアが必要な子どもを支える「小児在宅支援センター」が開設
2016年11月、鳥取大学医学部附属病院(鳥取県米子市)に小児在宅ケアの専門人材を育成する「小児在宅支援センター」が開設しました。
本センターは、日本財団、鳥取県の共同事業「難病の子どもと家族の地域生活支援」の一環で、人材育成と拠点整備を二本柱に5年をかけて鳥取県全域に支援体制を整える予定です。
入退院を繰り返す子どもたちの健康
病院には24時間医師も看護師もいて、安全に医療を受けることができますが、病院ではベッドに寝ているだけです。
自宅では、すぐそばに医師や看護師がいるわけではないですが、家族と一緒に過ごしたり、外へ出かけしたりすることができます。
と話すのは小児宅支援センター センター長の前垣義弘医師。
医療現場から見えてくる課題とは?
小児在宅支援センター開設の背景には、医療現場からこそ見えてくる課題があります。
たとえば、子どもたちが、退院後自宅で生活を送るなかで、体調を崩したり、肺炎を発症し再入院を繰り返すケースがしばしばあります。
入退院を繰り返すことは、心身ともに負担が大きく、痩せてしまうなど体調を悪化させる原因にもなります。
子どもの身体的な成長面から見ると、病院にいる子どもは発育が良好です。その反面、家族と生活する時間は限られ、学校や地域社会への参加の機会は少なく、心の成長という面では十分とは言えません。
自宅で適切なケアが行われ、体調が悪化せずに家で生活できる環境を整えることが求められています。