「鳥取県×日本財団 共同プロジェクト」が進んでいることをご存知でしょうか。
その内容とは、
鳥取県と日本財団は、日本一のボランティア先進県を目指し、地域住民が元気に暮らし、誇りを持てる社会づくりのための共同プロジェクトを実施する
というもの。
この取り組みは「鳥取プロジェクト」と題され、鳥取県と共に地方創生の流れに沿った地域支援が始まっています。
このプロジェクトの現地事務所の責任者として、4月に東京から鳥取に移住された木田悟史さんにお話を伺いました。
日本財団が鳥取県を盛り上げる理由とは?
日本財団が取り組もうとしている課題は、人口減少、高齢化といった社会課題への対策です。
移住者や定住者を増やそうというアイデアもあると思いますが、私たちがやりたいのは、そこに住み続けたい方の生活を支えていこうという取り組みです。
例えば地方では、中山間地域と呼ばれる地域が多いですが、そこで暮らす高齢者の方々に生活必需品を送る仕組みを作るという仕組みを作ることで解決するといったことです。
そのモデルケースとして、鳥取県と取り組むことが決まり、進んでいるということです。
鳥取支援を決めた3つの理由
次のようなポイントが一緒に進められることになった理由かと考えております。
1. 配慮の文化が根付いている
鳥取県は、日本財団が取り組むきっかけにもなったのですが、主に聴覚障害の方に手話言語条例をいち早く導入しています。
また「あいサポート運動」という、高齢者へ配慮しようという運動が行われており、県をあげて、高齢者への気配り、配慮しようという文化が育まれていると考えました。
私たちが行おうとしていることと親和性があると考えております。
2. 人口が少ない
県と一緒に地域再生の取り組みを行うとなると、北海道など大きい規模ではなかなか成果をかたちにするまでに時間がかかります。
鳥取県は、人口規模や人口密集地の分布、地形などからみても、県と一緒に取り組んで進めやすい環境になっていると考えています。
3. まだまだ知られていない
リサーチを進めると、鳥取県内の面白い取り組みをされている方々がまだまだ世の中に知られていないことがわかってきました。
地域の中で固まって動かれる方が多く、県外とのコラボも少ないと考えています。
日本財団が行ったその他の地域で事例で、新しい取り組みが生まれた瞬間とは、内の人と外の人が混じっていく中で起こったという経験があります。
だからこそ、鳥取県はまだまだそういうものが起こせる可能性があると考えています。
どのような鳥取県を目指しているのか?
私自身、鳥取県に移住してみて感じたのは、今のままでも素敵な県だなと思っています。
現地の方と話しても、善い意味でも、悪い意味でもガラパゴス化しているように思うんです。
県外の方々と交流がなかなかない分、ユニークな進化を遂げている文化も多いと思っています。
私に対しても、ウェルカムな空気を感じています。
今はテーマを探しているフェーズ
こうしていこうというテーマは、なかなか見えてきていません。
例えば、地元の方に目を向けると、今のままでも良いのではないかという方もいらっしゃると思います。
しかし、今のままでいると5年後、10年後の衰退は避けられない状況にあるでしょう。
同じ課題を感じて動き出されている方もいらっしゃいます。
私達がやっていくのは、現状の変化を起こしたいという方々を下支えし、火が少しずつおこっていく状況を作ることかなと考えています。