地域メディアは、新たな出会いを生み出す。
週末、宮城県仙台市で、「地域メディア公開編集会議」という非常に興味深いイベントが開催されました。スペシャルゲストとして、島根県からローカルジャーナリストの田中輝美さんをお迎えし、地域メディアを活用した情報発信について参加者みんなで考えました。
今回は、イベントの最後に行われたトークセッションに参加して、私が感じた「人と街を繋ぐ3つのポイント」について共有します。
地域メディアで人と街を繋ぐ3つのポイント
「人とマチをつなげるって、おもしろい!」というタイトルで、ローカルジャーナリストの田中輝美さんと地元紙・河北新報社デジタル推進室 記者の大泉大介さんによるトークセッションが行われました。
会場からは、様々な質問が飛び出しました。それにお二人が答える形で、地域メディア(ローカルメディア)の運営と可能性、ジャーナリスト・ライターに求められるもの、情報を読者へ伝える方法など、活発な意見交換が行われました。
それらを受けて私が感じた、「地域メディアで記事を書くことによって、人と街を繋ぐポイント」は以下の3つです。
1:誰が、書くか
2:何に、書くか
3:なぜ、書くか
今回は、イベントで感じたこの3つについて共有します。
1:誰が、書くか
「誰にも届かない情報は、ゴミ。」
情報は、それを必要とする誰かに届いて初めて価値が生まれます。私自身も、情報を発信しながら日々それを痛感しています。
発信した情報をきちんと読者へ届けることができるかどうかを考える上で、ジャーナリスト・ライターとしての「個」の重要性が高かまってきていると、田中輝美さんは伝えていました。
記事を書く媒体自体が優れているかよりも、誰が書いたのかを人々は意識していると言います。そのため、個人のブランディングが重要になってきています。
「読者は、書く人の個性も注目しています。ソーシャルメディアを活用し、自分の考えや価値観を丁寧に発信するという『届ける努力』が書き手には必要。」と伝えてくれました。
発信者として人々からの共感や関心を得られるか、個人としての日々の行動が求められています。
2:何に、書くか
「何に」あるいは「どこに」ということで、活用するメディアの種類についても考えてみる必要があります。
「Web・フリーペーパー・本」という3種類のメディアについて、どのように使い分けるべきかという話が出ました。簡単にまとめると、田中さんは以下のように伝えてくれました。
□Web:凄いアクセス、でも消費される感
□フリーペーパー:継続的な発信、地域の力
□本:説得力高い、本物感
どれが良いとか悪いとかよりも、それぞれの特性を活かし、手段・ツールとして活用することが大切だと教えてくれました。
例えば、フリーペーパーを長い間ずっと発行し続けているのであれば、それをまとめて書籍にすることも可能なはず。本にすることで、フリーペーパーを単にまとめたバインダーでは感じられなかった価値を読者が得られるかもしれません。
田中輝美さんの著書『地域ではたらく 「風の人」という新しい選択』のように、クラウドファンディングで出版費用を集めることも可能でしょう。
編集力・プロデュース力を磨き、様々なメディアを活用していきましょう。
3:なぜ、書くか
やはり最後は、「なぜ、やるのか?」という部分が問われます。
私も過去に経験したことですが、メディア運営というのは容易なことではなく、「継続する」という難しさがあります。なぜ、途中で止めてしまうのか? なぜ、続けることができないのか?
田中輝美さんのお話、そして、イベントに参加されていた市民ライターさんのお話を聞いて、「なぜ、書くのか?」という行動の原動力を見失った時や喪失した時に、人は継続することができなくなるのだと感じました。
自分が住んでいる地域や故郷に対する「好きだ!」と想いが、人々を動かす原動力であり、周囲から共感を得て人々を巻き込んでいく核となると、今回のイベントに参加して改めて感じました。
仙台の熱量は、高い
このようなイベントを開催する方々、そこに参加する方々、そして、このような場作りのために長い時間を掛けて行動を続けてきた方々が、仙台にはいます。
東日本大震災を経て、人々の地域への想いと行動は更に高まっていると感じました。私も、MACHI LOG 秋田・宮城を通じて、地域の情報を発信し続けていきます。