佐賀県内の4つの信用金庫が、佐賀の観光地の魅力を伝える映像を大学生と連携して制作しました。
一般に広く公開される用途ではなく、全国の信用金庫が企画する顧客向け旅行の候補先に佐賀県を入れてもらうことをねらい、制作された映像です。
なぜ全国の信金向けなのでしょうか。
バカにできない信金の団体旅行
Daniel Huerlimann-BEELDE / Shutterstock.com
信用金庫は、定期的に地域の高齢者を中心とした預金取引のある個人顧客を対象に団体旅行を計画しています。
ねらいは、顧客に金融商品分野以外のメリットを提供することで継続的な取引を行うためです。
全国には265の信用金庫があり、その内約75%の約200信金が年間合計270件ほどの団体旅行を実施しています(平成25年度実施「平成26年度旅行予定調査」より)。
平成26年のデータでは、団体旅行の規模は、約11万人、総額にして約30億円規模となっています。
各自治体も、信金の団体旅行に対して特別な付加価値を付けるなど、呼びこむ工夫が全国で凝らされています。
佐賀県内の4つの信用金庫が連携
今回佐賀県で制作された映像は、県内の4つの信金が連携し制作されました。
旅行会社や大学と連携し、観光地をPRしていくといいます。
実際に映像を制作したのは、九州産業大学の学生たちです。
県内の6箇所の観光地を巡り、「親近(信金)感あふれる旅」というタイトルの12分の映像にまとめました。
特定ターゲットに向けての観光誘致が有効
信金の団体旅行のように、特定のニーズがあり、一定の規模がある取り組みに絞り観光地PRを行うことは有効だと思われます。
映像を作るという際にも、「誰に届けるか」というターゲットの想定が重要ですが、今回の場合でいえば、信金の団体旅行に来る高齢者に魅力があるように団体旅行企画者に見せるということで、わかりやすくなったのではないかと思います。
他の地域でも挑戦できる取り組みだと思われます。