奈良・大和の東部、大和高原にある都祁(つげ)という集落で、自然農によるお茶づくりを行っている伊川健一さんのところを訪れました。
ここは縄文人も暮らしていたという、古くから神や宇宙への信仰が強い地域です。
まずは地域の氏神様である雄神神社へ。
ここは本殿を持たず、山を御神体とする自然崇拝の神社です。
自然農法というのは、農薬も肥料も使わない栽培方法。
人工的な農薬や肥料や耕作機械を利用した一般的な慣行農法では便利さを追い求める代わりに、先祖代々受け継いできた土地を痛めてしまいます。
結果的に農業生産が出来なくなってしまって、栽培することをやめてしまったいわゆる耕作放棄地をたくさん生み出してしまいました。
この地では、日本でも一番古く、1,200年もの前からお茶の栽培が行われてきました。
土地には植物・動物などあらゆる生き物の層が積み重なっています。
自然に逆らわず寄り添うことで、本来持っている力を取り戻すことができるはずです。
今年32歳になる伊川さんは、10代の頃にこの地に根を起き、荒れ放題だった茶畑を少しずつ開墾し、今では4,000坪の茶畑を管理しています。
何年もの生物の層が積もった土はふかふかしていて、ほのかにお茶の香りがします。
大地と太陽の力をいっぱい吸ったお茶は生き生きしています。
この地では、6月頃に新芽が出てきます。一番茶はこの新芽(一芽二葉)を摘み取っていきます。
しばらくするとまた新芽が出てきて、その芽を摘んで二番茶となります。
そうやって毎年少しずつ、伸びた分だけ摘み取っていく。なので、永遠に循環していく。
外からの肥料も入れず、その土地にあるものだけで循環していく、そうやって次世代に美しい土地を受け継いでいきます。
伊川さんのお茶は「健一自然農園」というブランドで商品化され、全国のURBAN RESEARCH DOORSなどでも買うことができます。
また茶葉、茶花、茶実を使ったオーガニックコスメは以前のブログにも紹介させていただいた「QUON」として販売されています。
「QUON」は東京・青山にあるシンシア・ガーデンでも販売しています。
都市生活者の人に、地域の力がたっぷり詰まった自然農法のお茶を飲んでもらうことで、次世代に繋がる生き方が伝わっていくことを願っています。