東南アジア圏で出土した木製遺物の保存処理技術の確立に向け、国際ネットワークが設立されることになりました。
日本から参加するのは、奈良文化財研究所と京都大学生存圏研究所です。
ネットワークには、インドネシアやタイなど5カ国の国立大学や政府機関が参加します。
奈良文化財研究所は、文化財の保存・修復・整備を行う研究所
このネットワークに参加する奈良文化財研究所は、タイで出土した木造船の保存処理に協力するなど、海外でも文化財の保存などに協力する日本の機関です。
独立行政法人国立文化財機構の一部門となっており、文化財を総合的に研究するための機関となっています。
全国各地や世界の貴重な遺跡や遺物を守り、それらを活用するための基礎となる、文化財の保存・修復・整備に関する研究にも力を入れており、国際連携も盛ん。
日本では、東日本大震災の復旧・復興事業に伴う埋蔵文化財発掘調査への協力も行っています。
新たな保存技術の確立が目的
今回のネットワーク設立の目的のひとつは、新たな保存技術の確立です。
東南アジアの樹木は、高温多湿の環境で育っているため、従来の日本の薬剤が浸透しにくく、木製遺物の保存の課題となっていました。
そこで、ネットワークを設立し、東南アジア諸国の樹木研究のデータも活用することで、新たな保存技術確立を目指します。
この試みが、技術革新や人材育成に繋がることが期待されます。