「まちづくりアドバイザー」という肩書で、住民と区役所を繋ぐ役割をしている方々がいることをご存知ですか。
「”街の公共員”みたいなイメージですね」と語るのは、京都府上京区でまちづくりアドバイザーを務める松井朋子さんです。
主な活動は、4つ。
(1)区のゆるキャラである、かみぎゅうくんを使ったPRの企画
(2)区役所の人向けのアドバイザー:もっと区民と一緒に動くためには何ができるかを伝える
(3)区民側の活動:住民側とまちづくりのための活動で一緒に活動
(4)住民同士の関係性を繋ぎ、コミュニティを築いていくような仕掛けづくり
丁度、半民半官のような立ち位置の役職です。
役所側も、区民側も、どちらにも目と耳を向けながら、その間を繋げることでより良いまちづくりに尽力されています。
そんな松井さんに、官と民が繋がるためにはどうすれば良いかをお聞きしました。
官と民が繋がるために必要な3つのこと
1. 関わる人誰もにとって良い状態になっていること
繋がったり、そこで何かをすることで、誰もに良い状態にするという思いがあります。
繋がったことによって、期待以上のものが返ってくるようにします。
どちらかのニーズだけ満たすことは意味がないと考えていて、関わったことによって、膨張させるイメージを持っています。
即効性がある・ないはものによって違うので、短期間では考えずに、数年先を常を考えて、より良い状態を目指すようにしています。
この仕事をしていると色々な人と出会うのですが、出会いを一回で終わらせないというのは常に気をつけていて、次の展開に関わっていただけるようにすることを心がけています。
2. どっぷり中にいるようだけど、離れてみる視点をもつ
今自分がいる状況を客観的に見られるようにしています。
中に入っているんだけど、自分の行動を外からも見られるように気をつけて、視野が狭くならないようにしています。
他地域の事例や、人からの情報なども得ながら、第三者の立ち位置を心がけるようにしています。
3. 振り返られる視点をもつ
オンとオフを使い分けるというか、住民の方と一緒に何かしているときや、区役所の方と何かしているときのことを、振り返るような機会をもつようにしています。
オンの時は、営業モードのように、懐に飛び込んでいって、オフの時に、それを冷静に振り返ります。
私自身は、この区に住んでいないので、住んでいないからこそ、冷静に振り返られると思っています。
自分がどの立場に立つかを考えることが大事
間を繋ぐためのやり方や考え方は人それぞれだと思います。
正解も間違いもないです。
自分のやりかたを見つけて、それで関係性を作って、仲間を作っていくのが良いと思います。
ポイントは、自分の中で新たな視点を獲得したいと思った時に、それが取り入れられる柔軟性が大事な一方で、自分の中の譲れない部分もある状態かな。
気をつけているのは、自分がどの立場にたって発言するのか、行動するのかということを、自分の中で理解しておくということです。
関わる人誰もにとって良い状態になるために、繋がりを作り続けられれば良いですね。