宮崎県の観光推進課の長尾拓さんは、故郷である美郷町渡川地区をこよなく愛する人のひとりです。
宮崎県北部に位置する、美郷町渡川地区。高齢化も進む、田舎の町。
長尾さんは、県庁職員を務める傍ら、渡川地区を盛り上げる活動を継続されています。
過疎化が進む故郷を守る理由とは。
想いを聞きました。
渡川に根っこが生えている
渡川に、根っこが生えているんだと思います。
根っこが生きてるから、何でもできる。
根が腐ると、自分も腐ると思っているくらいに好きなんです。
特別な元気のもとが渡川であり、自分を作っているものです。
渡川が教えてくれた人生で大切な3つのこと
1. 人生は幅が広い
渡川の住民には色々な方がいらっしゃいます。
だから、小さい時からタブーがないような感覚なんです。
真面目な話から、シモネタまで、普通の生活の中で振り幅の大きさを教えてもらいました。
人間はこんなに自由に生きて良いんだ、という思いは渡川で育ったからだと思います。
2. 家族の大切さ
家族が大好きなんです。
家族=渡川という感じです。
理想は、僕の家族みんなで渡川で暮らしたいです。出てからしばらくたちますが、その感覚は変わりません。
3. 「やれるんだな!」という実感
「生きる力」を身につけました。
魚を獲ったり、木に登ったり。
生きることはつまり、豊かな暮らしだという実感を、身近に感じていました。
豊かさのヒントに溢れているし、豊かな暮らしを考えるきっかけになっていると思います。
もし、豊かさを求めているなら一度訪れてみてほしいです
なぜ、限界集落のようなところを守ろうとするかといえば、残せなかったら家族が死ぬような思いだからです。
社会的なインパクトを起こしてやろうとかは思っていません。
当たり前の日常が、当たり前に続くようにしています。
自分自身の豊かさの指標が渡川なんです。だから、なくなると困ります。
渡川は、ど田舎です。
でも、来てみて、繋がってみてください。
渡川には、豊かさのヒントがあるんじゃないかと思っています。