
11月1日、岐阜県美濃加茂市、関市、各務原市の3市が連携し、「クラウドファンディングと広域連携による低予算での地元盛り上げの仕組みづくり」に向けて、”地域特化型クラウドファンディングFAAVO”内の1エリアとして、『FAAVO美濃國』がスタートしました。
そしてなんと、スタートと同時に開始されたクラウドファンディングプロジェクトのひとつが、開始12時間で2000万円を突破し、地域の力を垣間見られる事態となっています。
刀剣ファンの心に響く、名刀「蛍丸國俊」復元プロジェクト
image by faavo.jp
このプロジェクトの趣旨は、
かつて阿蘇神社の深奥に安置され、日本中にその名を響かせた「蛍丸國俊」。残念ながら戦後の混乱で失われた名刀を、現存する資料に基づき新しく鍛え上げ、阿蘇神社へ再度奉納すること
出典元: faavo.jp
を目指すというものです。
プロジェクトを起案したのは、刀鍛冶の福留房幸さん。
蛍丸の伝説である、
建武3年(1336年)3月、多々良浜の戦いに於いて、阿蘇氏の十代当主阿蘇惟澄が敗戦濃厚となる中この大太刀で奮戦し、何とか自陣に帰り着いたときには、ささらのごとく無数に刃こぼれしていました。太刀を壁に立てかけたまま眠りに落ちると、どこからともなく無数の蛍が現れ太刀に止まり、光に包まれるという夢を見ます。翌朝目を覚ましてみると不思議なことに刃こぼれひとつない美しい姿になっていた
出典元: faavo.jp
という伝説になぞられ、「失われた名刀を、支援者と一緒に力を合わせて、関市周辺の職人たちの手により復元奉納し、現代版蛍丸伝説を作ろう」とプロジェクトを実施しました。
開始わずか5時間で550万円の目標金額を達成!
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開始後数時間で、このプロジェクトは刀剣ファンの知るところとなり、一次はサーバーに繋がりにくくなるほどの事態に。
Twitterでも1万5千件を超える関連ツイートが拡散されるなど、このプロジェクトの勢いは留まることを知りません。
この背景にあるのは、昨今の刀剣ブーム。
人気ゲームに「蛍丸」が登場していたこともあり、ファン層で一気に広がったことが成功の一要因だと思われます。
開始12時間経過した頃には、達成金額2000万円を突破しており、まだまだ勢いは留まりそうにありません。
地域資源を活かすヒントが詰まっている

実は、美濃地域は日本の刀剣史を語る際に外せない重要な地域だということをご存知でしたか。
戦国時代に美濃国に刀匠が集まり、数多くの名刀が世に送り出されたところから歴史が始まります。
現在でも、関市の打刃物といえば、岐阜県の五代地場産業のひとつとなっています。
今回のプロジェクトは、単に「刀剣の復元」ということに留まらず、「地域資源を活かしたまちづくり」という観点からみても、学ぶことが多いでしょう。
刀剣の奉納先である阿蘇神社への観光客誘致や、地場産品の認知拡大や販促にも活用できるかもしれません。
そして何より、このプロジェクトを通して注目を集めることで、地元の歴史や伝統を地元の人が認識し注目するきっかけになるのではないかと思います。
プロジェクト終了日まで、残り88日。
ぜひ注目したいクラウドファンディングプロジェクトです。