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日本人が知らない、きりたんぽ-秋田

日本人が知らない、きりたんぽ-秋田

    CATEGORY: AREA:秋田県

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きりたんぽを知る3つのポイント

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  • 「きりたんぽ」を家庭で食べるのは北部:
    秋田県の代名詞の様に有名なきりたんぽ。実は、ほぼ北部エリア限定の郷土料理
  • 東北第1号の「ふるさと名物応援宣言」:
    秋田県大館市が、きりたんぽを名物として東北第1号の「ふるさと名物応援宣言」
  • 秋田県内でも2つの市が競合:
    鹿角市が「発祥の地」を主張し、大館市が「きりたんぽの本場」を宣言中

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日本人が知らない、きりたんぽ

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秋田と言えば、きりたんぽ。

しかし、全国の人が持つイメージと、秋田県人の現実は違います。きりたんぽは、もともと各家庭で食べられる郷土料理。ここまでは、合っています。

問題は、場所です。日本中にある郷土料理の多くがそうである様に、きりたんぽも発祥の地は、特定のエリア。そして、今でもその周辺エリアの家庭でのみ、きりたんぽは食べられています。

【追記:肉の種類とセリの投入】
使用している画像に、豚肉が入っていますが、本場の秋田北部の読者さんから「ありえない!」というお声を頂きました(笑)やっぱり、きりたんぽは、鶏肉ですね。できれば、比内地鶏を入れてください!

そして、きりたんぽ鍋を美味しく食べるアドバイスを貰いました。「セリはさっと火を通して、最後に乗せる」ことがポイント。本場の人が言うんだから、間違いない!是非、お店やご家庭で食べる際は、お試しください。

きりたんぽを家庭で食べるのは秋田北部。県南の家庭ではレア料理

shutterstock_233514400追記:きりたんぽ鍋を食べる際は、上の写真のように土鍋で煮て鍋をつつきあうことはしません。大きい鍋に煮て、取り分けて食べるのが一般的

全国の人からすれば、秋田県の代名詞の様に有名な「きりたんぽ」。大変嬉しいことですが、秋田県人全てが家庭で、きりたんぽを食べるわけではないのです。実は、一部の地域でしか、頻繁に食べないんです。

秋田県の北部エリアでは、家庭料理として、あるいは、なべっこ遠足の様な行事の中で、きりたんぽを食べます。(「だまこ」と呼ばれる、潰したご飯を丸めたものも食べます。)

しかし、それ以外の地域では、南に下るほど食べなくなります。勿論、好きな人は食べると思います。ただ、私の出身の秋田県南エリアの家庭では、まず食べません。33年間生きてきて、私の家で食べたのは恐らく1・2回です。

きりたんぽは、秋田北部発祥の郷土料理で、秋田県南には元々食べる文化が無いのです。

東北第1号のふるさと名物応援宣言。県北の大館市が旗を掲げた

スクリーンショット 2015-09-16 22.29.22本場大館きりたんぽまつり2015(10/10,11,12)|秋田県大館市

その秋田県北部にある大館市が、きりたんぽを名物として東北第1号の「ふるさと名物応援宣言」を行いました。

秋田県大館市は、きりたんぽを同市の名物として全国に発信し、さらなる経済効果を目指そうと14日、東北で第1号となる「ふるさと名物応援宣言」を行った。全国では4例目。

□出典:きりたんぽで大館活性化 市が名物応援宣言 | 河北新報オンラインニュース

【ふるさと名物応援宣言の要点】
□事業:中小企業庁が8月に開始
□対象:全国の市区町村
□目的:特産品開発・ブランド化の支援
□ゴール:地方創生・地域活性化
□利点:
・国から優先的に補助金が受けられる
・中小企業庁のWebサイトに商品掲載
・販売ノウハウを学ぶ研修会への参加

そして今回、大館市が「ふるさと名物応援宣言」を行った背景には、全国へ向けたPR活動と、もう1つ、秋田県内における「きりたんぽ」PR合戦があります。

秋田県内でも2つの市が競合。県北の鹿角市と大館市の主張

スクリーンショット 2015-09-16 22.34.57発祥の地鹿角きりたんぽ協議会

秋田県以外の市町村でも同じ様な話を聞いたことがありますが、「きりたんぽ」を巡り、県内の2都市がPR合戦を展開しています。それが、県北の「鹿角市」と先ほどお話しした「大館市」です。

要点だけご説明しますと、鹿角市が「発祥の地」を主張し、大館市が「きりたんぽの本場」を宣言しているという状況です。

更に言えば、県外のお客様には「きりたんぽは、秋田県全体の物産」という認識があり、全国に対する販売も見込めるため、秋田市での生産も盛んだそうです。秋田のお土産と言えば、やっぱり「きりたんぽ」。

このような状況を受けて、大館市が「ふるさと名物応援宣言」を行ったわけです。

最後に:顧客が重要

各自治体の力を強固にすることも大事でしょう。もちろん、自分のところの物産だと主張したい気持ちも分かります。

ただ、重要なのは、商品を買う人です。考えるべきは、顧客にとって価値のある行為かどうかです。

その視点を失い、自分の利益だけを追求すれば、顧客からは求められなくなるでしょう。みんなで協力して、顧客のことだけ考えましょう。それが、最終的にみんなハッピーになる、唯一の方法です。

「顧客価値を追求する。」それは、成功の必須条件です。