秋田県に、全国から注目を集める国際教養大学がある。就職率100%、すべての授業が英語で行われるなど、注目されるトピックは多い。
国際教養大学の取組について、常務理事の佐々木昌良さんにお話を伺った。
テーマを決めて24時間勉強できる環境
— 質の高い学生が集っているという印象ですが、起業家志望の学生も多いですか?
佐々木:卒業生の中には、アントレプレナーを志す学生も多いです。今後、このような学生のサポートや、伸びる仕掛けをしていこうと考えています。
— 授業内容の充実の他にもあるのですか?
佐々木:授業だけではなかなかできないと考えています。ですので、テーマ別ハウスを考えています。約9割が大学の敷地内で生活しているという点を活かして、目的・志が同じ人同士が集まって一緒に生活する。24時間、切磋琢磨して勉強できる環境です。アントレプレナーハウスですね。
— 図書館が24時間365日使えるということとも相まって、効果がありそうです。
佐々木:そうですね。集中できる環境ができると思います。
秋田で起業するための土壌作り
— 秋田県内の企業への就職はどれくらいの割合ですか?
佐々木:全体の10%いかない程度です。公立の大学なので、秋田に就職することを要請されますが、実際に企業側が卒業生をほしいかどうかということもあると思います。
グローバルな人材までは必要ない、という会社もあります。現状では、卒業生の活躍の場を作ることも重要です。
— 県内の企業がグローバル化に対応していくことが必要ですね。
佐々木:海外に売り込んでいくという姿勢ができてきて、この大学の学生を取りたいというマインドにすることが大事だと考えています。
長期的な視点で人を育てる
— 私たちも、秋田への起業家誘致をおこなっていきたいと考えています。秋田で起業できるという土壌を作る必要性を感じています。
佐々木:人を育てておくことが大事だと思います。グローバルな視点を身につけた人間を輩出する。全国から人が集まっているのですが、秋田で4年、5年過ごすということは秋田が染みこむことだと思います。親近感もわくはずです。だから、長期的な視点で、秋田に貢献できるようになればと思いますね。
大学教育が問われている中で、注目される国際教養大学。秋田から、グローバル視点の人間を生み出す教育はまだまだ始まったばかり。
ここからどんな人たちが巣立っていくのか、要注目だ。
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