国指定の文化財、所在が確認できなかったものは109点にものぼり、ニュースでも大きくとりあげられました。
2013年11月末に文化庁から各都道府県へ依頼された確認件数は10524件、うち所在が確認できたのが10177件だったということです。中には徳川慶喜が家臣に褒美として渡した国宝の短剣も含まれています。
不明109件のうち個人所有は62件
画像:e国宝 東京国立博物館 短刀銘国光)
個人所有は62件、その他、社寺所有が38件、財団・企業所有は8件、地方自治体所有が1件となっていました。
最も古い盗難は明治36年
33件は既に盗難届が出されており、最も古い盗難は明治36年、奈良県の「金銅誕生釈迦仏立像」でした。
画像出典:びわこビジターズビューロ 善水寺の金銅誕生釈迦仏立像
一度に4件盗難にあったお寺も…
盗難にあった件数は社寺が25件と最も多く、武蔵坊弁慶の伝説で有名な島根県の鰐淵寺(がくえんじ)では、2006年に重要文化財4件をふくむ計13点もの盗難にあいました。
238件はいまだ追加確認中
今回の調査で確認できなかった件数が他にも238件あるそうで、引き続き今後の調査が待たれることになります。
文化庁の今後の方針は…
文化庁発表の資料によると予防策として以下のことが行われるようです。
“年1回、往復葉書やメールを送信する、直接説明を行う機会を設けるなど、所有者に対して定期的に、直接連絡を行うことにより、文化財の所在情報等を把握する。 ”
“全ての重要文化財(美術工芸品)について、定期的(例:4年に1回)に実地での状況を確認する”
“文化庁・都道府県教育委員会が所有者・所在地の移動等の情報を共有するなど、指定品の所在情報をより確実に把握する”
“防犯センサーや防犯カメラなど防犯・防災設備を設置するようさらに呼びかけ、できる限り多くの寺社等における防犯・防災設備の設置を促進する”
“古美術商やインターネットなどを通じ、重要文化財等(美術工芸品)の売買の状況や海外に流出していないかどうかの状況把握を強化する”