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大好きな地元でずっと暮らしていくために、仲間を作る。売上重視のビジネスモデルとは異なる若手女性経営者ならではの視点-熊本県・阿蘇市

中央:佐藤智香さん、右:ビジネスパートナーの宮本龍さん

九州地方で栽培が盛んなアブラナ科の高菜。そんな九州の中でも、熊本県阿蘇地方には特有の高菜がある。阿蘇高菜だ。この阿蘇高菜の種を使ったマスタード「阿蘇タナカード」を作り、2016年度に「農林水産大臣賞」を受賞した『阿蘇さとう農園』の佐藤智香(さとう・ちか/31)さんにお話をうかがってみた。

自然の力に人は太刀打ちできないと思い知った2つの災害

高校卒業後、大阪の専門学校へ進学した佐藤さんは、卒業後自動車メーカーでデザインに関わる仕事をしていた。その後、6年前に両親や祖父母のいる阿蘇にUターンして、祖母の農地を引き継ぎ就農した。地元へのUターンを考えたきっかけは、2011年の東日本大震災と、その翌年に起きた九州北部豪雨だったという。

大阪は、東日本大震災の直接の被害は受けなかったものの計画停電の影響があり、その際「自然災害で、人の生活がこんなに大きな影響を受けるとは」と、ある種の衝撃を受けた。そして、九州北部豪雨では地元の阿蘇も記録的な雨に見舞われ、農作物や建物の被害を受けた人を目の当たりにする。

若い人が少なく、大変な状態にある地元の役に立ちたいという思いで、佐藤さんはUターンを決めた。

阿蘇高菜をどう売るか?「阿蘇タカナード」にたどりつくまでの苦しい道のり

Uターンを決めてから実行に移すまでの時間はかからなかった佐藤さん。実家の農地を引き継いで就農すれば、なんとか生活できると考えていた。ところが、阿蘇に帰ってからそれは甘い考えだったことを知る。これまでは定期的な収入があったが、それがなくなってしまったからだ。

阿蘇高菜は、涼しい気候で火山灰土質である熊本県阿蘇地域特有のアブラナ科の植物。一般的な高菜は株ごと切り落として収穫するが、阿蘇高菜は1本1本茎を手で折って収穫する。手間の割に実入りは少なく、生鮮の状態で出荷しても1kgあたり数十円程度にしかならない。そんな阿蘇高菜を栽培する農家は年々減少し、商業的な規模で栽培を続けている農家は今や阿蘇さとう農園しかないという。

当初、佐藤さんは阿蘇高菜の漬物を作って売ることを考えた。しかし、まったく採算が合わない。どうしたらいいかと思いを巡らせていたところ、たまたまテレビでアブラナ科の植物の種からマスタードを作っている映像を目にする。「たしか、阿蘇高菜もアブラナ科だったのでは?」と思って調べてみると、そのとおりだった。「生鮮や漬物で商売にならないのなら、マスタードを作ろう」と、佐藤さんは決心した。

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