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映像コンテンツを起点に地域おこし。魅力ある情報発信で移住を促進-北海道津別町

林業が盛んで「愛林の町」と呼ばれる、北海道網走郡津別町。2018年7月末現在で人口は4,744人と少ないが、津別町は道東の中でも特にパワーのある地域だ。そんな津別町の賑わいの中心には、必ずこの人の姿がある。道東テレビ代表、ビデオグラファーの立川彰さんだ。

立川さんは、日本テレビの国民的人気番組をアシスタントディレクターとして裏で支えた後、千葉県船橋市で独立。縁あって遠い北の地に移住し、現在は地域おこし協力隊として道東テレビを立ち上げ、町を支えている。

千葉県船橋市と津別町の関係

津別町は、地域振興に関して先進的な取り組みを積極的に行っている。まちづくりに関する会社を立ち上げ主導するマネージャーを年間報酬1,000万円で公募したり、将来の過疎化への対策について筑波大学と共同で研究を行う「まちなか再生事業」を行ったりと、地方創生に関してさまざまな方向からアプローチを続けている。そんな津別町の「まちおこし」の協力者は、遠く千葉県にもいた。

船橋市と津別町。姉妹都市提携などはないものの、離れた2つの市町は1983年から交流を続けている。そういった縁もあり、あるとき津別町から船橋にいる立川さんへある話が持ちかけられた。

2015年に津別町から移住プロモーション映像の制作オファーがありました。その1本の映像を作るために何度か津別に足を運ぶうち、町役場の職員に「立川さん、津別で何か仕事できませんか」といわれたんです。それが移住のきっかけでした。

いわれてみれば、津別だけではなく道東地区にはローカルテレビも映像制作会社もほとんどないんですよね。だから町の記録も映像ではほぼ残されていない。そこで町に「町のための映像コンテンツの制作」を提案したところ、それなら地域おこし協力隊で3年挑戦してみたらどう?と言われて。”いつかは下請けではなく媒体側へ”と考えていたので、そういった意味でも津別は移住先としてベストでした。

一体感を高めるコンテンツづくり

津別町だけでなく、道東地域の多くの市町村ではインターネット環境が整っており、ほとんどの家庭で高速かつ快適にインターネット動画を視聴できる。さらに津別町はこれを機にデジタルサイネージを導入し、公共空間や病院など町内のさまざまな場所で立川さんが制作した映像を配信した。

道東テレビの作った映像は、多くの町民が視聴しています。番組は移住希望者に魅力を伝えるだけでなく、町民がまちに愛着を深める役割も担っています。町内のあらゆる場所でまちに関する情報を映像で知ることができる。そして映像を通して、「津別の行政と町民との一体感」を町外へ伝えていきたいです。

道東テレビとして、今後は津別の成功例をもって近隣の市町村へもアプローチして映像を作っていく予定です。映像は広報と記録、両方に利用できることを行政に知ってもらい、多くのまちで利用していただければと考えています。

現在、立川さんが同町について配信しているコンテンツは、まちのニュースを届ける「タウンニュースつべつ」とまちづくり応援バラエティー「つべらない話」など。どちらもSNSとYouTubeにて、町民だけではなく全国、全世界の人がいつでも見られるようになっている。

https://www.youtube.com/channel/UC0MJsH3UNTD5DGnvcnFSXfg(道東テレビYouTubeチャンネル)

津別で”場づくり”を担う。新たな事業展開とは

2017年、津別町は「道東エリアリノベーション・プロジェクト・イン津別」と銘打った新たなプロジェクトを開始。空き家対策の一環として、空き家を活用したコワーキングスペースとゲストハウスを設立し、新たなビジネスの創出や移住促進を目指す。そのうち、コワーキングスペースの運営者として道東テレビが公募の中から選ばれた。

津別で町内外の人が集まる”場”となるコワーキングスペースをこれから作っていきます。これは町のパイロット事業となっていて、空き家をコワーキングスペースに改装するためのリノベーションのワークショップを実施しなければいけません。ワークショップの参加者はこれから募集していきますので、リノベーションやコワーキングスペースに興味のある方にお手伝いいただければ幸いです。

「人生を冒険しよう。」リアルとネットを繋ぐコミュニティを作る

「人生を冒険しよう。」というのは、立川さんと同じく津別に移住し地方創生課に勤めている女性と道東テレビが行う「JIMBA」プロジェクトのキャッチコピーだ。道東ならではのライフスタイルや遊びを提供するJIMBAが行うのは主に次の3つ。

  • 『人場宿』 空き家を利活用したゲストハウスや滞在型宿泊施設
  • 『人馬宿』 レンタルキャンピングカー事業
  • 『陣場塾』 起業塾や映像制作教室など

特に注目したいのがキャンピングカーを貸し出す「ジンバレンタカー」。北海道ならではの車体験を楽しめ、リアルなノマドライフを体感できる。遊びと仕事の境界線を曖昧にするというのが、JIMBAが掲げるミッションのひとつ。利用者は道東を楽しみながら、移住後の生活について考えられるだろう。

この3つ以外にも、立川さんは数多くの”しかけ”を用意している。さらに道東と移住希望者をつなげるための新たな構想もあるのだと立川さんは言う。

コワーキングスペースにレンタカー、宿泊施設と、津別に場を用意する準備は着々と進んでいます。次に考えているのが、ネットとリアルな場を繋ぐ方法です。ネット上にオンラインサロンのようなコミュニティを作り、そこでも津別や道東について映像で発信していきます。コミュニティの参加者にはレンタカーの利用料金を割引したりすることで、将来的にどこかへ移住したいと考えている人を実際に呼び込めないかなと。北海道ならではの絶景とか、ライフスタイルなどを発信して地域のファンを増やしていく予定です。

冒頭で触れた「まちづくり会社統括マネージャー」が2018年7月に着任した津別町。筆者が町役場を訪れた際、立川さんのいる地方創生課には上記マネージャーと職員の姿があった。そしてそのすべてが移住者であった。まちおこしへの熱気も感じた。

道東テレビ、コワーキングスペース、そしてJIMBA。立川さんが仕掛けるさまざまなプロジェクトが導火線となり、道東に大きな炎がゆらめく日も遠くないだろう。

【道東のいまを伝える映像メディア 道東テレビ】http://doutou.tv/

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