約3年でタニタ食堂が撤退、移住前に確認すべき秋田の食文化

地方移住のリアルは、実際に移住した人たちの「生の声」の中にある。

先日、秋田県で暮らして2年になる40代男性と話し、実際に生活する中で驚いた経験を聞いた。

「ぼだっこ」を最初に口にした時、本当に驚きました。何だ、この塩辛い魚は!?
それが、鮭だと知った時は驚愕でした。自分の知っている鮭とは全く別物でしたので。

「ぼだっこ」とは、塩っ辛く漬け込んだ紅鮭・汐鮭を意味する秋田の方言だ。他県の人からすると、本当に驚くほど「しょっぺえ(塩辛い)鮭」となっている。

「しょっぺえ」のが大好きな秋田の食文化

秋田県人は、塩辛いものが大好きだ。秋田弁では、それを「しょっぺえ」と言う。その食の好みは、コンビニの商品にも反映されている。

一部の地域でしか販売されていない限定商品として、鮭のおにぎりとは別に「ぼだっこ(塩辛い鮭)」のおにぎりが店頭に並んでいる。スーパーでも、その切り身が売られており、多くの家庭で出される、焼いた「ぼだっこ」の表面には白く塩が浮き出ている。

見るからに塩辛そうで、いわゆる切り身で食卓に出てくることはない。「ぼだっこ」の場合、小さい一切れで、ご飯一杯は余裕で食べられる。それが、秋田の当たり前だ。

味噌汁もしょっぱい

当然、料理全般、例えば味噌汁もしょっぱい。特に、西日本の人たちにとっては、驚きのしょっぱさだと言う。

先日、宮崎県に出張に行って、ご飯をいただいた際、お味噌汁がとても甘く感じた。非常に素材が活きている美味しい味噌汁だった。ただ逆に、この味噌汁に慣れているとしたら、秋田県の味噌汁を飲むのは、厳しいのではないかと実感した。

お茶請けは漬物(がっこ)

一般的に、お茶請けと聞くと和菓子を想像すると思うが、秋田県において、お茶請けと言えば、お菓子に加えて漬物が常識だ。

ちなみに、漬物を秋田弁では「がっこ」と言う。秋田県の名物の「いぶりがっこ」とは、燻した(燻製した)漬物という意味なのだ。

ばあちゃんたちが縁側で井戸端会議をする時も、基本的にお茶と「がっこ」は必須。その家々で作られた漬物を食べながら、お茶を飲み、楽しく話をする。さすがに、会社のお茶請けとして漬物が出てくることはないと思うが、家ではそれが普通だ。

塩分取りすぎの健康問題

2014年12月に、秋田市内の中心部にオープンした「あきたタニタ食堂」が、2018年3月末をもって撤退した。

立地の問題もあったと思うが、客足が遠退いた要因の1つとして、味付けの薄さが挙げられている。健康に配慮した料理は、どうしても塩分控え目の薄味になる。あのタニタ食堂をもってしても、その薄味が秋田県人の舌には合わなかった。

この塩分を取り過ぎている秋田県人の食生活は、健康に悪影響を及ぼしていると言う問題があり、秋田県は警鐘を鳴らしている。

生活習慣病のリスクが高い

秋田県では、県内向けに塩分取り過ぎを訴えるポスターを作成したり、Webサイトを立ち上げたりして、注意を促している。

秋田県民の成人一日当たりの食塩摂取量は全国平均より高くなっています。塩分の摂りすぎは高血圧・脳血管疾患・心疾患・胃がんといった生活習慣病のリスクを高めるとされています。

こちらのサイトでは、「マイナス1gの減塩」を目指そうと、1日の食塩摂取量を簡単に調べられるようになっている。

移住先の地方にある食文化

これは、秋田県に限った話ではない。地方には、その地域独自の食文化というものが存在し、スーパーや飲食店でも、それに応じた食材やメニューが提供されている。

折角、その地域に住むのであれば、そのような食文化に触れたり、地域の人たちと一緒に楽しく食事をしたりすることは素晴らしいことだ。

ただ、最初は違和感や驚きを感じても、そのうちに慣れてきてしまうところが、人間の怖いところ。

病気の発生率と食文化を調査

厚生労働省のホームページやインターネットのランキングサイトを見ると、様々な疾患における都道府県別の状況を確認できる。

地方移住を検討する際は、そのようなデータもチェックしてみてほしい。その上で、現地に行って、地域の人たちと食事をしたり、お酒を飲んだりしながら、どのような食文化があるのかを確認してみると良いだろう。

事前に気を付けておけば、安心して移住先の美味しい「食」が楽しめるはずだ。

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