除雪は経済を回す。午前3時、空港で動き出す秋田県人

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私の故郷である秋田県横手市は、いわゆる豪雪地帯だ。

一晩で20〜30cm以上の雪が降ることはざらで、過去最大級の大寒波が襲来した2018年1月24日は、1日で51cmの降雪が記録された。

豪雪地帯の人々は昔から雪と共生をしてきたが、交通インフラの運用において雪は大きな障害となり得る。特に、他県から来る観光客やビジネスマンの移動を支えている空港は、雪によって大きく影響を受ける。

秋田県は、秋田空港の飛行機運用に対する雪の影響を軽減しようと、「雪戦隊なまはげ」という除雪隊を外部委託で運用している。

秋田空港除雪隊「雪戦隊なまはげ」

1年間で、約120万人が利用する秋田空港。その運航を支えるのは、日々行われる施設や機械の整備だ。特に、雪の多い秋田県では除雪が重要な作業となる。

秋田空港の滑走路・誘導路・エプロン(駐機場)の面積を合計すると、その広さは東京ドーム約6.4個分(約30万平方メートル)となっており、仮に10cmの積雪でも敷地内の雪をかき集めるとその量は膨大だ。

冬でもスムーズに運航されるよう、秋田空港の安全を守っているのが、「雪戦隊なまはげ」という愛称の秋田空港除雪隊だ。今回は、実際に除雪隊として働く、鈴木 仁さんに現場のお話を伺った。

午前3時から安全を守る仕事

鈴木さんは、除雪現場での作業者として約5年、管理者として約5年、計10年ほど秋田空港の除雪業務に関わっている。

そんな鈴木さんの仕事は、午前3時からスタートする。途中の休憩や日々のローテーションがあるとはいえ、午前3時から午後5時までのハードな仕事だ。

日常的には、書類整理や作業報告を行いながら、どの機械がどのぐらい動いたかをまとめ、作業が効率良く、安全に行われるように管理している。

30分で除雪作業を完了させる

夜に降雪があった際には、午前3時から午前7時まで、約25台の除雪車を使って最初の除雪を行う。そして、天候に合わせて、飛行機の離発着の合間にも、こまめに路面状況の確認と除雪作業が行われている。

多い時だと、1日に7・8回も除雪を行うそうだ。日中は、わずか30分という短い時間での除雪作業完了を目標にしているという。

3種類の除雪車と除雪ドーザ、凍結を防止する薬剤散布車、安全のために仕上がりを確認する摩擦係数測定車によって、秋田空港の安全を守っている。

除雪作業はスピードと安全が大事

この短時間で行われる除雪作業は、非常に危険な作業だ。大型の車両が、凍結している路面上を時速50〜60kmで一斉に移動しながら作業を行う。

作業車はもちろん、飛行機が駐機している場合もあるため、空港は絶対に事故を起こせない場所です。その中で、迅速な作業が求められます。

全車に無線を設置し、お互い常に声を掛け合いながら、情報交換や指示をしつつ、安全第一で作業をしています。

周囲に雪や風を遮るものが無いため、ホワイトアウトで前が見えなくなることもあるという。常に他の作業者と連絡を取りながら、作業が進められている。

安全のために、終わりの無い仕事

どんなにスピーディに除雪をしても、普通の道路の除雪と異なり、除雪したから作業終了とはならないのが、空港の除雪だ。

飛行機が飛ぶギリギリまで、路面の摩擦係数を測りながら作業を続けます。天候に左右される、終わりが見えない仕事です。

それでも、朝除雪をして、その日の最初の便の飛行機が時間通りに飛んで行ったのをみると、凄くやりがいを感じます。

鈴木さんは、SNS上で、「除雪のおかげで無事飛べました。」という投稿を見ると、嬉しくなると笑顔で伝えてくれた。

除雪は経済を回している

除雪隊のみなさんのおかげで、冬の間も秋田空港ではスムーズに飛行機の離着陸が行われている。

それは、観光・ビジネスの活性化を支える重要な役割だ。除雪は、秋田県の経済を動かす上で、非常に重要な仕事と言える。

除雪は地域の雇用も創出

除雪車を動かす現場で働く人々の9割は、冬季期間だけの一時雇用だ。

その多くは、冬の仕事が少ない建設関係や農家さんたちで、除雪が彼らの貴重な収入源となっている。また、狭い場所や機械で作業できない場所は全て手作業となるが、そこで働く主力は主婦の方々だ。

辛い仕事ではあるが、中には早朝の短時間労働で高い収入を得る人もいるという。地方の仕事としては、かなり割の良い給与だ。

秋田の魅力を伝えるために

鈴木さんは、除雪という仕事を通じて、安全安心な交通インフラをしっかり守りながら、秋田の魅力発信に貢献したいと伝えてくれた。

雪も含めて、秋田の魅力は四季がはっきりしている豊かな自然だと思います。この仕事をしてからは、時間が取れずに行けていませんが(笑)自分もウインタースポーツが好きで、雪で遊んでいました。

今は、雪が降ってくると、除雪しなければという思いが頭に浮かび、臨戦態勢になりますね。仲間と共に、しっかりと秋田空港の安全を守っていきたいです。

戦隊という愛称ではあるが、決して雪は敵ではない。鈴木さんは、共存していくために、自分のできることをしていきたいと伝えてくれた。

除雪用の大型車両を扱う仕事の担い手は、高齢化が進んでいるという。今、秋田の魅力を伝えるため、縁の下の力持ちとなる若い人財が必要とされている。

参考資料

「気象データ」(気象庁)
「秋田空港概要」(秋田県秋田空港管理事務所)

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