The Hong Kong Council of Social Service(以下「HKCSS」)は香港で初めての社会的企業・団体の支援組織で、資金調達をはじめ、経営や法律、財務会計、技術開発等の分野での専門家を集めて、そのスキルを活かした組織的な支援を行っています。
しかし、受け身で社会的企業や団体の出現を待っているわけではありません。むしろ積極的に今社会的に問題になっていることは何か、を広く問いかけ、社会を変えて行こうとする組織でもあるのです。
組織の限界を飛び越えさせるのが使命
HKCSSのロゴは各辺の色が異なる三角形がモチーフ。
赤色は「invest」投資
青色は「innovate」革新
灰色は「incubate」はこれらを支えるインフラ。
この三つの助けがあって、多くの中小の社会的企業・団体を支えることを表しています。
しかし、規模が小さい企業や団体は、そのことによって、人材面や金銭面をはじめとする組織的な限界に直面する機会が多いのも現実です。せっかくの活動がこうした組織的な問題が原因で頓挫してしまうというのは非常にもったいないことです。
「私たちが入ることで、組織の限界をexpandすること、つまり組織の限界を飛び越えさせることができるのです。」とJessica TAMさんは力強く語ってくれます。
HKCSSは約60年の歴史のなかで培ったネットワーク、トレーニングのスキル、キャパシティビルディング、プロモート、マーケティング支援等で、中小企業・団体がもつ組織の限界を飛び越えさせてくれます。
こうしたブレイクスルーポイントを支援することは非常に大切なことで、今まで為し得なかったイノベーションを現実にする大きな力となるのです。
ブレイクスルーポイントを超える3つの重要な要素
HKCSSの入り口にはご覧のようにたくさんの商品が並んでいます。これらはすべてHKCSSの支援している企業・団体が生産や販売をしているもの。現在まで約800の企業や団体を支援してきたそうです。
長い歴史やノウハウの蓄積もありますが、やはりプロジェクトを進めるには多くの難しさを抱えていると言います。
「私たちはあくまでも間に入る人。プロジェクトマネジメントであり、総合プロデューサーでもあります。商品を売る進行役と成功させる道筋をつくるオペレーション役を同時にこなすことは非常に難しい仕事です。」とJessicaさんは言います。
支援を希望する全ての企業・団体の申し込みを受け入れることはできないけれども、多くを見てきて、支援をしてもブレイクスルーポイントを超えられる企業・団体の特徴があるといいます。
・アクティブであること
・「イノベーション」を考えていること
・コミュニケーションがとれること
この3つがあればたとえ小さな組織、個人であっても支援をすることで成長する可能性は非常に高いそうです。言いかえればこれは誰にでも社会起業家になれるチャンスがあるとも言えます。
それでは社会に貢献しようとする意欲のある人達は、どのように社会に対してアンテナを張り巡らせば良いのでしょうか。