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BOP特集:鼓動する国バングラデシュ

BOP特集:鼓動する国バングラデシュ

    CATEGORY: AREA:地域活性化の海外事例

かつて最貧困国として考えられてきたバングラデシュは、1999年からの10年間で5%以上の経済成長を達成し、さらに10%以上の貧困層の減少を実現した今最も世界で注目されている国の一つです。

汚職にまみれた政治背景で設立された、世界最大規模のNGOのBRACやマイクロファイナンスという無担保融資を活用した女性起業家の活躍などソーシャルベンチャーの国としても注目をされています。

小さい行動は美しい事だ。大きい変化は不可欠だ。

世界最大の規模のNGO BRAC(Bangladesh Rural Advancement Committee(=ブラック)は、アベッド氏が73年に設立。貧困層の経済的安定、教育普及、自立心向上による社会変革をアジア・アフリカの発展途上国で推進する。マイクロファイナンスを活用した700万人の雇用創出、450万人の独自教育プログラム実施などの成果がある。NGOながら財政の8割を自立財源でまかなう。(日刊工業新聞より引用)

現在は、商社のように小売販売からインターネット事業(BRACNet)などグローバルスタンダードで幅広くサービスを展開しておりNGOの概念すら変える活発な動きをしている。BRAC幹部もNGOと呼ばれるよりも「民間セクターの開発機構」として呼ばれることを好む人もいるそうです。非常に立派な自社ビルとコーヒーカップ一つにまでこだわったブランディングは非常に印象的です。

BracNetのCEOからとても印象的な言葉をきくことができました。

「Small is Beautiful, Big is Necessary」
(小さい行動は美しい事だ。大きい変化は不可欠だ。)

BRACのビルからは、いくつものスラムを見下ろすことができます。国全体、国民一人一人の行動解決しなければいけない課題は、まだまだ山積みです。

農村でも女性がマイクロファイナンスで大活躍

ダッカから車で4時間,かけてたどり着く農村。木々は息づき、子ども達の笑顔と笑い声が飛び交う。ダッカの喧騒を離れて、古きよき日本を思い出すかのような哀愁さえ感じることができます。これだけ離れた農村でもマイクロファイナンス(無担保融資)は、活躍しています。

5人一組で借りる仕組みのマイクロファイナンスは、一人一人がお互いを信じあい助け合い確実にお金を返していきます。

その回収率は95%を超え、利益は新しい投資へと使われています。借り入れたお金で自分の事業を始めたり、現在の事業の展開に使ったりその使用用途は様々です。特に女性への貸付が多く、グラミン銀行同様に女性の市場参入が非常に活発に行われています。

あなたは、日本が好きですか?

日本は、戦後最大の経済成長を行い物質的な豊かさを手に入れました。その反面年間自殺者が3万人を超えその数は、右肩上がりで増加しています。

バングラデシュ人に「バングラデシュが好き?」と聞くと「もちろん大好き!」と即答します。「バングラデシュを誇りに想う?」と聞くと「ジー(もちろん!)」と答えます。解答内容は、様々ですが、彼らは、自分の考えをしっかり述べることができます。果たして日本が好きですか?と聞かれて何人の人が心から解答できるでしょうか?

必要なのは、教育と医療制度

バングラデシュは、BRICsに次ぐ急成長が期待されるとした11の新興経済発展国家群(NEXT11)の一つです。

建築途中の新しい建物数多くみうけられます。その一方でスラムも数多く残り貧富の際は拡大しています。求め始めたらキリがないほどの項目があげられますが、間違いなく言えることは、教育と医療制度が必要であるということです。

国のインフラも重要

教育の制度が整っても、家族の生活を支えるため働かざるをえずに学校に行けないという現状も打破しなければなりません。

その状況を改善するためマイクロファイナンスなどで雇用を促進することが大切です。もちろん日本企業の参入も経済を刺激するでしょう。バングラデシュをよりよくするために活動している人も多くいます。(エクマットラ児童福祉施設)。このような傾向を受けてバングラデシュは、今後10年大きな経済成長をするであろうと予測されています。

鼓動する国バングラデシュ

戦後日本は、目覚しい経済成長をすることができました。

しかし、物質的な豊かさを追求する余り大切な人の「心」を失ってしまったような気がします。今後バングラデシュは、より経済成長を達成するでしょう。

しかし、どんなに経済成長しても、環境が変化しても、5年後も10年後もその笑顔の輝きと心を失わないでいてほしいと願います。

それだけ素晴らしい自然と人にたくさんめぐり会うことができる国でもあります。自然と溢れ出す心からの願いの鼓動を感じながら、今回の旅のレポートとさせていただきます。