18chefsは様々な原因で社会から離脱してしまった人々を積極的にシェフとして雇用しているレストラン。しかし、このレストランを立ち上げたBennyさんは、社会貢献が目的であったり、人助けをしたいわけではありません。ただ美味しいものをたくさんの人に提供したい、というPassionが彼を突き動かしました。そんな純粋な想いが多くの人を惹きつけています。
Passionをもって突き進む
「自分自身1996年まで15年間刑務所に出たり入ったりを繰り返していました。そこから自分は本当にやりたいことを追い求め、18chefsを作りあげることができました。そして今、18chefsは少年院や刑務所を出所してくる人がもう一度社会にチャレンジできる場にもなっていますが、そういうストーリーではこのお店にお客さんが来て欲しくはないのです。私はただ、『本当に美味しくていいお店だから』、という理由で、お客さんが来てくれるお店でなければならないと思っています。」と語るのは、18chefsの生みの親であるBennyさん。
シンガポールでのフードビジネスはとてもリスキーで、半年以内に80%のお店がなくなってしまうという統計もある程です。しかし、それでも彼は自分が好きなことは「料理」であって、これをたくさんの人に伝えたい、味わってもらいたい、というPassionに突き動かれ、とにかくがむしゃらに突き進んだそうです。積極的に進みながら、お客さんの反応をつぶさに観察し、トライ&エラーを重ね、どんどん改善をして、何が良いかをみつけていくようにしたのです。最初の1年はとても苦しかったそうですが、そうやって学んでいくことにより、お客さんがだんだん増え、2007年には1軒だったお店は2008年には3軒、2009年に増え、ベトナム出店を達成するまでに成長していったのです。
本質をつかむ
先程紹介したようなストーリーでお客さんに来てもらっても、それは興味本位であったりして一回きりで続かない場合が多いので、本当に美味しいものを提供することで、何度もお客さんが足を運んでくれるようにしなくてはならないと常に感じていたそうです。お客さんが18chefsに求めているものは「美味しいものが食べたい」。そして、Bennyさんの想いは「美味しいものをたくさんの人に提供したい」。お互いシンプルで純粋な気持ちの合致なのです。この本質を履き違えることなく、伝えたいものを強く想い、行動することが、魅力となり、人を惹きつけています。
あなたのGIFT、あなたのまちのGIFTは何ですか。
もうひとつBennyさんが大切にしているものがあります。それは自らがもっているGIFT。「私が18chefsに打ち込めたのは、とにかく料理が好きだったこともありますが、自分がもっている素晴らしいGIFTに気がついたからです。私のGIFTは、一度食べたものは、それがどう作られているかがわかるのです」。GIFTとは、その人が持つ強みであったり、得意なことといえます。誰にでも必ず得意なもの、GIFTをもっていて、それに気づき、それを使ってどう社会へ活かすか、をみつけることができれば、とても幸せで、そしてがむしゃらに突き進むことができる力になるのです。
あなたのGIFT、あなたのまちのGIFTは何ですか?