最近、「関係人口」という言葉を耳にするようになりました。関係人口とは、ふるさと納税や特産品購入など、地域と多様に関わる人々のことを指します。短期的な滞在の「交流人口」と移住した「定住人口」の間に位置する、地域との新たな関わり方です。
では、関係人口はどのようにしてつくられるのでしょうか。関係人口を創りだすには、地域側から自分の地域に関わってもらえるきっかけをつくる必要があります。
そんな関係人口を増やすきっかけとなるイベント「Miyazaki Dining 2018」が、2018年9月2日に東京で開催されました。
今回、イベントの主役となる地域は宮崎県のほぼ中央沿岸部に位置する児湯郡新富町。人口約1万7千人と小さな町の新富町は、農業が盛んな地域。今回のイベントは、新富町の食材をきっかけとして同町と関わりをもってもらおうというテーマのもとに開催されました。
新富町に魅せられた移住者が企画。日常に新富町を。
今回のイベントを企画したのは新富町にある地域商社、こゆ財団の広報担当である小野茜さん。小野さんは2018年1月に新富町へ移住し、現在は東京との二拠点生活を送っています。
東京の人に新富町のことを知ってほしいと思ったのが、このイベントを企画した一番のきっかけです。しかし説明会などで単に情報を発信するだけでは、町を身近に感じられません。そこで今回はおいしいものを食べるという身近なところから、新富町に来る疑似体験をしてもらおうと思いました。
両地域の良さを知っている小野さんは、東京と地方のつなぎ役として今回のイベントを立ち上げました。
こゆ財団からは代表理事を務める齋藤潤一さんも参加。20名の参加者の方々は耳で新富町の話を、舌で新富町の食材を味わい、食べるだけではなく話を聞くことで、よりリアルな新富町の姿を感じられる場となりました。
地域の食材の魅力を引き出すお店を舞台に
会場は、南池袋公園の目の前に位置する「Racines FARM to PARK(ラシーヌ ファーム トゥー パーク )」。お洒落な店内は落ち着いた雰囲気がありつつも、店員さんの元気な声で活気にあふれていました。
このお店は「FARM to PARK」という名の通り、各地域の生産者さんとの繋がりを大事にして日々の料理を提供しています。同店の店長いわく、
当店はフレンチやイタリアンなどといった縛りがなく、多様なジャンルの料理を提供できる強みがあります。その強みを生かし、素材の魅力を最大限に引き出す調理法を考えています。
とのこと。今回のイベントでは、新富町の食材に秘められた魅力を引き出したメニューを、コース仕立てで提供。素材を活かす調理法が特別なら、素材も特別。こゆ財団が運営する、新富町のふるさと納税でしか手に入らない食材も用意されました。
こだわりの食材を活かす調理法でつくられたメニューは、いったいどのようなものだったのでしょうか。