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宮崎県の中央部に位置する人口約17,000人のまち、新富町。
東京ドーム約460個分にも及ぶ広大な農地を有し、米・ピーマン・キュウリ・マンゴー・キンカンなど、年間を通して多彩な農作物が収穫できる食の宝庫だ。
今、そんな新富町で、希少な国産ライチに注目が集まっている。その動きを牽引するのが、ライチ農家の森哲也さんだ。
ライチが示した農業の可能性
初めて口にした時の衝撃が、自身をライチ栽培へと導いた。きっかけは15年前。父親が農園の一角でライチを育て始めたことだった。
ようやく付けた実を初めて食べた時、あまりのおいしさに感激しました。とにかく衝撃がすごかったんです。
もともと町特産の洋ランを生産していたが、「父がつくったライチの味を再現したい」と方向転換。洋ランのハウスのほとんどをライチの木に切り替え、10年前に本格的なライチ栽培に乗り出した。
味や香りが魅力的だったことに加えて、県内ではほとんど誰も栽培していなかったことが、「やろう」という気持ちを後押ししました。
壁を乗り越えパイオニアに
何度も壁にぶつかり、生産に至るまでには長い年月を要した。
地道に改良を重ねて、土地に合う品種を選り分けながら、年々木の本数を増やし、5年目にようやく安定して実が採れるようになった。まとまった量を出荷できるようになったのは、今から3年前のことだ。
新富町にはライチの生産者が増えつつあるが、森さん親子がまさにそのパイオニア。試行錯誤の末、「ライチはこの土地に合う作物だ」と身を持って証明してきたことが、今につながっている。
圧倒的な質とブランド化への道
森哲也さんがつくるライチは、外国産の冷凍ライチと比較すると、大きさは数倍。その迫力は段違いだ。
父が何種類か育てていた中から、この土地に合った生産性の高い品種を選抜しました。それで残ったのが、たまたま大玉の品種だったんです。
皮をむくと、ぷりっとした肉厚の果肉が現れ、噛んだ途端に甘い果汁があふれ出す。圧倒的な品質を誇っているものの、森さんはそのおいしさや価値を消費者に伝えきれずにいた。
そこに目を付けたのが、宮崎県新富町が旧観光協会を法人化して設立した地域商社「一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(略称:こゆ財団)」。森さんと一緒にライチのブランド化を進め、新ブランド「楊貴妃ライチ」として一粒1,000円で販売。2017年度は8個入りを130ケース販売した。
都内の農業イベントに登壇
森さん自身も、東京で行われたイベントに登壇。ライチの試食を提供しながら、むき方を手ほどきしたり、味わいの魅力を語るなど、「楊貴妃ライチ」の認知度アップのために自らの言葉で伝えてきた。
迫力ある見た目だけでも驚かれるんですが、皮をむくとパンと弾けるほど水分が飛び出し、口に入れた瞬間、香りがパーッと広がる。
そのことにみなさん感激していました。一生懸命育てたライチを「おいしい」と言って食べてもらえるのは、やっぱりうれしい。お客さんの声を直接聞くことなんて、今までなかったからね。
成功し、農業の可能性を示す
森さんにとって、こゆ財団との出会いは大きな転機になった。
やっぱり時代の流れに乗っていかないと、この町が進歩していかない。こゆ財団と一緒に取り組んでいることは、自分にとってあまりにレベルが高いんですが、それをやらないと町全体が伸びていかないと感じています。
ライチのブランディングを成功させることで、地元の農家仲間にこんなやり方があることを知ってもらいたい。それが自分の役目だと思っています。
国産ライチと描く、農業人生
農業人生をライチに賭けてきた森さんは、「ライチづくりはとにかく楽しい」と、これまでの苦労をものともしない。周りから期待や注目が集まっていることも、モチベーションにつながっている。
ライチの可能性は無限大です。というのも、まだほとんどの人が国産ライチのことを知りませんから。外国産の冷凍ライチのイメージを払拭するために、やるべきことはまたまだたくさんあります。
まだ知られていない国産ライチには、未知の可能性が秘められている。その魅力が全国に広まり、「宮崎にライチあり」と言われる日も、そう遠くはないかもしれない。