3月15日は、確定申告の期限日ですね。自営業者の方は、各種書類をまとめたり、計算したりとバタバタと過ごされたのではないでしょうか。
自営業の数が少なく、自ら仕事をつくる人が少ないと言われる日本ですが、実際どれくらいの方が”起業家”となっているかを調べてみると、全国の総数で590万9600人。人口100人あたり、4.63人となっています。この数、多いと見ますか、少ないと見ますか。
起業家数の人口比率1位は和歌山県
ここでいう起業家とは、自営業者の定義である、個人経営の商店主,工場主,農業主,開業医,弁護士,著述家,家政婦など自分で事業を営んでいる者で、独立して仕事をしている方々だと考えて下さい。
イメージ通りかもしれませんが、起業家の数が最も多いのは、東京都で約66万人、全国の12.8%を占めています。
合わせて、神奈川、埼玉、千葉の起業家数も多いことから、南関東全体で、日本の起業家数の約3割を占めています。
次に、人口あたりの起業家数で考えてみると、ランキングが大きく入れ替わります。1位は和歌山県で、人口100人あたり6.99人となっています。2位は高知県で6.98人、3位は長野県で6.69人です。
以下、山梨県、宮崎県、山形県・・・と続きます。比率で見ていくと、地方での割合が高いことがわかります。
「地方に仕事がある」とはどういうことか?
以前、東京在住者の約4割の方が地方移住を検討しているという記事を掲載した際にも、最も懸念となっているのは「仕事の有無」だということで、地方にある仕事について触れました。
その記事を読んだ方が、「まさに!」と思える内容をおっしゃっていただいていたので紹介させていただきます。
移住の仕事面に関しては「手に職がある」もしくは「自力で商売を始めたい」という人の方が圧倒的に向いている。むしろそういう人にとっては都会よりも地方の方が環境的には断然有利なのでおすすめ。
— 市毛友一郎/メルカドデザイン (@booichiro) 2018年2月21日
「地方に仕事がある」とは、2つの意味があるといえます。ひとつは文字通りで、「仕事はあるが、出し先(担い手)がいない」という場合です。
例えば、デザインに関する仕事や、ウェブサイト製作や、商品開発など、プロフェッショナルのスキルを要求されるものは担い手が少ない傾向があり、うまくいくと地域の仕事を一手に引き受けることにも繋がります。
また2つ目は、「明確な仕事にはなっていないけど困っていること」です。
販路を拡大したいがどうすれば良いかとか、イベントを開催したいけどどうすれば良いかなど、経験者の不在や、前例がないことによって仕事になっていないものです。
ここでもやはり、「経験したことがあり、提案できる」ということができれば、新しい仕事につながるといえます。困っていることを、解決できる人になれれば、仕事になるというわけです。
「自分がどんな仕事がしたいのか」で移住先を決める
地方移住や多拠点居住と、仕事をどうするかという問題は切り離せないものでしょう。
だからこそ大切なのは、「自分はどんな仕事をしてお金を稼ぐのか」を考えることです。手に職があったり、他ではない経験値があったりという場合には、間違いなく都会よりも自身の価値が高まるはずです。
ただし気をつけなければならないのは、「相手の何を解決できるのか」ということを言葉にすることと、「それにどれだけ価値を付けるのか」ということを明確にする点は忘れてはいけないでしょう。
もしデザイナーがいない地域で、デザイナーとして仕事をする場合は、その地域の相場を、自分の仕事が作るというくらいに考えた方が良いでしょう。
逆も然りで、もし移住候補先に既に同業者がいるという場合は、仕事の相場や、受けることができるかどうかなども課題になってくるでしょう。
地方移住を検討するポイントとして、何で稼いでいくのかを地域と合うかということと一緒に考えてみてください。
参考文献:
就業構造基本調査(総務省)