MACHI LOGライターの岡田です。東京から宮崎県の人口16000人の街、新富町に移住しました。
移住の際に、移動の足にと軽自動車を中古で購入しました。きっかけは、「移住するなら自動車は絶対あった方が良い」と、地域おこし協力隊の方にアドバイスを受けたからでした。
正直、お金もあまりないし、迷いました。。が結果、購入。
地方移住で必須という話も聞かれる自動車ですが、なぜ車があったほうが良いのでしょうか。考えてみたいと思います。
シンプルに自動車は、移動に便利
まず自動車があれば便利だということは間違いなく事実です。実際、買い物をはじめ、町内でどこかに行くというときは、たいてい車で移動しています。
まわりを見渡してみても、若い人からお年寄りまで当たり前のように自動車に乗っており、一家に一台以上あるのが常識という声も聞かれるほどです。
地方の人は車に詳しい
象徴的なのは、多くの人が、車種やメーカーなど、車に詳しいこと。共通言語として車種の話が出てきたりすると、頭の中にハテナが並ぶこともあります。
だんだん、車の楽しさを感じてきますし、そのコミュニティに入りたい等願望もでます。
もちろんこのエピソードは、それぞれの好みということもあり各々で感覚は違うと思いますが、どれだけ自動車が生活に身近なものかということを象徴しているようにも思います。
宮崎県の自動車保有台数は全国13位
自動車検査登録情報協会が公表している統計データで、自動車保有台数を都道府県別にみてみると、宮崎県は13位になっています。
保有台数の総数は67万台で、人口100人あたり61.23台となっています。全国平均が48.26台なので、多い部類になります。
この統計データは、公共交通機関通勤・通学率と負の相関があり、自家用車通勤・通学率と正の相関があるという分析があることから、自動車保有台数が多いところは公共交通機関での通勤が少なく自動車通勤が多いことを意味するといえます。
つまり、公共交通機関の整備が行き届いていない地域では、自動車の保有台数が高くなるといえます。このようなデータは、「地方移住に車は必須」と言われる根拠ともなりそうです。
代替手段は、本当にないのか?
ここで改めて、本当に自走車に変わる代替手段がないのかどうかを考えてみましょう。
代わりになり得るのは、電車、バス、タクシーでしょう。宮崎県新富町の場合、町の玄関口となる日向新富駅があり、JR九州の日豊本線の駅となっています。特急などはとまりませんが、鈍行であれば、1時間に1本〜2本運行しています。
近隣の地方都市である宮崎市まで30分程度の乗車時間で移動することができます。
バスは運行制限があるが”使える”交通手段
バスは、町がコミュニティバスを運行しており、1回の乗車につき100円で利用できます。ただし、一週間毎日ではなく、火・木・土の1日3便など、制限があります。この条件は、路線によって変わるため、事前に運行状況と、乗車時間を調べることが必須です。
ながしのタクシーは、、なかなか厳しい
最後にタクシーは、運行会社があるため、手配すればスムーズに利用できるといえるでしょう。ただし、偶然通りかかるタクシーを呼び止めるというのは難しいのではないかと思います。
このように考えると、日常生活においての行動範囲であれば、必ずしも自動車の所有が必要であるというわけではなさそうです。ネックとなるのは、それぞれの本数や運行時間が限られているため、それに合わせて行動しなければいけないことでしょう。
つまり事前に準備し、時間をスムーズに調整できるならば、公共交通機関やタクシーの利用で、十分生活ができるといえます。
移住者の交通インフラの満足度は意外と高い
実際に全国的に見ても、地方移住時の交通インフラの整備は、高く評価されています。
国土交通省がまとめている「国土交通白書2015」をみてみると、「Uターン、I/Jターン者が移住した前後で感じたギャップ(生活環境)」において、交通インフラの充実度は、20〜39歳で5.1%プラス、60歳以上で9.9%プラスとなっており、想定より良かったと評価されています。
40〜59歳の範囲では、マイナス1.3%の評価となっていますが、他の年代に比べるとマイナスの範囲も低いといえます。
この調査は移住者を対象に行われていることから、実際に移住した後で、不満が高まるということはなさそうです。
移住促進の一環で自動車の貸出を行なう自治体も
実際に、自動車が必要かどうかについては、移住前に試してみるのがおすすめです。
私の場合も、町を回る際に、レンタカーを借りて、実際にぐるぐると走ってみました。仮に自分が住むところを決めて、スーパーなどの必ず必要となる店舗や、コンビニ、駅、病院など生活圏に置いて必須となるものの位置を把握し、実際に車が必要かどうかを考えてみるのが一番です。
自治体によっては、移住準備の際に自動車を貸し出すところもあります。岡山県和気町では、無料で軽バンを貸し出しており、下見や生活用品の購入などに利用することができます。
じわじわとくるのがガソリン代
自動車を所有した際に、一番ネックとなるのが維持費、中でもガソリン代だと思います。
もちろん利用状況によると思いますが、私の場合は、毎月1万円前後がガソリン代となっています。毎回給油の際に3000円くらいがかかるので、地味に高いなぁと感じてしまう部分。
交通費トータルでみると東京と差がない
ただし実はこれは、東京在住時よりも電車にかかる交通費が少なくなっているので、トータルでの交通費は実はあまり変わっていないのが事実です。
不定期な出費として、税金や車検などもあるため一概には言えませんが、自動車を所有することでそこまで大きな経済的な負担はないのではないかと思います。
結論:なんだかんだ不便だし、自動車があると一発で解決できる
以上でみてきたように、住居の条件次第では、地方でも必ずしも車が必要なわけではありません。しかし公共の交通機関を利用すると、どうしても時間や場所に制限が出てくることは確かです。
電車、バス、タクシーは、東京都比較すると、なんだかんだで不便があります。
例えば、東京に住んでいる際には、数分に1回のペースで電車やバスが運行されているため、神経質に時間を気にすることはありません。
しかし地方暮らしとなると、逃せない時間があるため、どうしても、そこありきの時間配分になってしまいます。
支出の分は、最高に移住ライフを楽しもう
ただし、個人の生活スタイルによるところが大きいため、必ずしもどちらが良いということは言えないでしょう。実際に、自動車を所有するとなると、費用もかかります。実際、地方居住者は、都市部居住者に比べ、自動車関連支出(自動車購入費、維持費、ガソリン代)が多い傾向にあります。
個人的には、自動車がある方が行動範囲も広がり、かつ移動手段があるという安心感を得られるように考えています。
ライドシェアなんかも広まっていくかもしれない
一方で忘れてはならないのは、制度の変更やテクノロジーです。例えば、徐々に広がっているライドシェア(相乗り・配車サービス)の制度整備や、自動運転の実現などは、車無しでの生活を実現する可能性が生まれてきています。
つまりあくまで現段階の地方移住においては、車があった方が安心感というメリットが得られるのでおすすめですが、車を所有しなくても、快適な地方生活が今後実現する可能性もあるといえるでしょう。
ぜひ、宮崎県新富町に遊びに来てください!僕の自動車で案内します!