「一生もの」と聞くと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。
宝石や時計やカバンなど、様々なものが思い浮かびます。
実は、福井県の伝統工芸である越前漆器も、一生もののひとつに数えられます。
8年間、大切に使われ続ける箸
「本物を贈りたいという人にこそ、伝統工芸の良さを伝えたい」と語るのは、福井県の伝統工芸のPRを行っている森田裕士さんです。
まだ学生だったころに、お世話になったバイト先の店長に箸を送ったんです。自分が卒業するので感謝を込めて。その箸を、8年経った今でも使い続けていると言ってくれたのが、すごくうれしかったんです。
「本物は一生ものになる」ということを痛感したという、森田さんのエピソードです。
本物だから、一生もの。
森田さんは、越前漆器の蒔絵師として活躍する父のもとで、伝統工芸に長く親しんできました。
だからこそ、伝統工芸を産業として活性化させたいと思い、今の活動を行っています。
私は、一生使えるものを「本物」と呼んでいます。
そしてそれはただのモノではなく、作り手の職人さんだったり、売り手だったり、色々な人の手を経て、思いが詰まった一品になっていると思うんです。
だからこそ、伝統工芸品を買い、使うというのは、「思いを受け継ぐこと」だと思うんです。
思いを受け取り、誰かに贈る
森田さんは、伝統工芸のPRの一環で、福井の伝統工芸を紹介する動画制作を企画しています。
ただ漆の器があるだけでは、その価値や、込められている思いは伝わらないかもしれません。
しかし職人の姿や、思いを声にして届けることで、「せっかく買うなら一生ものを」と思い、伝統工芸を選ぶ人が増えればと思います。
そして多くの人が選ぶことで、伝統工芸を産業として支えることができればと考えています。
森田さんの活動は、クラウドファンディングでも資金調達を行っています。
伝統工芸の良さを知りたいという方にも、おすすめの取り組みです。