鳥取県と日本財団が共同で、鳥取県の抱える人口減少、高齢化といった社会課題への対策を行っていく「鳥取プロジェクト」。
その中の一環で行われている取り組みが、「難病の子どもと家族を支えるプログラム」の整備です。手始めに、プログラムに関わる人材育成として、約半年かけて座学や県外の現場訪問が行われています。
今回、地域連携ハブ拠点を整備する取り組みに関連し、難病の子どもたちのケアのかたちとして先行事例となる国内の施設を、鳥取プロジェクトの一団が訪問しました。
最初に訪れたのは、神戸市に整備された「チャイルド・ケモ・ハウス」です。
日本初の小児がん専門治療施設
「チャイルド・ケモ・ハウス」は、子どもと家族が安心して滞在できる日本初の小児がん専門の治療施設です。
掲げられたスローガンは、「がんになっても笑顔で育つ」。
そのスローガンの通り、子どもたちと家族の方々が笑顔で暮らしながら過ごせる施設です。
1万人にひとり発症する小児がん
小児がんの発症率は1万人にひとりと言われ、毎年2000人程度の子どもたちが小児がんになると言われています。
医療技術の進歩で、長期生存率は7割〜8割に向上している一方で、入院環境の整備は進んいるとはいえないといいます。
小児がんの子どもは、通常半年から1年の治療期間を必要とします。
しかし入院生活で過ごす病室は狭く、ベッドの上で遊ぶような状態になるのだといいます。
医療の進歩だけを見るのではなく、ケアの仕組みと両輪
以上のことからもわかるように、医療の進歩は歓迎されることなのは言うまでもありませんが、一方で、治療をうけながら、当たり前の「生活」が送れる環境の整備が求められていることがわかります。