良い制度をどう活かすか
成長し続けている「ふるさと納税」について、本来の意義を忘れている批判もありますが、制度自体は良いものであるという意見を関係者から聞きました。
しかし一方で、現状のままでは自分たちでその可能性を潰し、ふるさと納税という制度自体を終わらせてしまうことにもなりかねないという意見もあります。
多くの自治体のふるさと納税担当者から聞ける言葉があります。
「目指すべきは、ふるさと納税から脱却する企業を増やすこと。」
現在、私たちは2つの未来の分岐点に立っていると言えます。
ふるさと納税が直面する2つの未来の分岐点
ふるさと納税の未来を関係者にお聞きすると、2つの未来が見えてきます。
1:ふるさと納税で地域の可能性を潰す未来
2:ふるさと納税でヒト・モノ・カネが循環する未来
それぞれの未来について、ふるさと納税関係者に話を聞きました。
1:ふるさと納税の可能性を潰す未来
家電や日用品などの「高還元率・転売可能」特典に人気が集中し、ふるさと納税制度の趣旨を尊重しないポータルサイトが、業界をリードすることを懸念していると言います。
もし、そうなれば歯止めが効かなくなるという、大きな懸念があるそうです。
特典も地元のモノでなくてもよくなって、地域外あるいは海外商品を仕入れて特典として提供することが当たり前になり、ふるさと納税が「一律でダメ」という烙印を押され、制度自体が終了する未来です。
頑張っている人たちまで巻き込む
実際に、本当に地域の魅力を伝えようと頑張っている自治体や企業は存在しています。しかし、そんな未来が来れば、その人たちの今までの努力が台無しになりかねません。
よく使えば本当は良い制度なのに、自分たちの手で未来の可能性を壊してしまうことになります。