数字を追いかける、自治体。
市場規模が2兆円とも言われ、成長性の高い「ふるさと納税」。
その認知度が100%に近い一方で、実際にふるさと納税をしたことがある人は、10%〜15%。まだまだ成長する可能性に、自治体や事業者が期待をしています。
その一方で、大切な故郷や頑張っている地域を応援するという「ふるさと納税」が持つ本来の意義が見失われ、返礼品合戦になっているという指摘もあります。
今回は、独自の調査によって、ふるさと納税の関係者にお話を聞き、その課題について考えてみたいと思います。
ふるさと納税の大きな2つの課題
ふるさと納税の課題を紐解いていくと、2つの大きな課題が見えてきます。
1:寄附金額の競争環境
2:寄附者が飛び付く特典構造
それぞれについて、詳しく考えてみましょう。
1:寄附金額の競争環境
まず、自治体の目標設定に大きな課題があります。
「何億、何十億集めている自治体がある。なぜ、自分たちは集められないのか?」という意見が、地域や議会の中で生まれ、自治体として、高額な寄附金額を達成することが、目標となっていると言います。
そして、メディアも高額な寄附金を集めている自治体に注目し、どのように集めているかという「手段」ではなく、多くの寄附金額を集めているという「結果」を中心に伝えるため、寄附金集めの思考が加速しています。